• 2025.12.12
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リスティング広告の出稿方法|Google・Yahoo!・Bingの設定ポイント

リスティング広告の出稿方法|Google・Yahoo!・Bingの設定ポイント

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などで検索したときに、検索結果の上や下に表示される広告のことです。たとえば「パソコン修理」や「英会話オンライン」と調べたときに出てくる「広告」と書かれた表示を見たことがある人も多いでしょう。
これは、リスティング広告を出したい企業があらかじめキーワードや予算を設定し、クリックされたときにだけ費用が発生する仕組みです。限られた予算の中で効率的に宣伝できるため、個人事業主や小さな会社でも始めやすい広告として人気があります。
本記事では、Google広告とYahoo!広告を使ったリスティング広告の出稿方法を中心に、アカウントの作成手順、設定の流れ、費用の考え方、そして出稿後の運用のコツまでを初心者にもわかりやすく解説します。

リスティング広告の基礎知識

リスティング広告とは

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索サービスで、ユーザーが調べたキーワードに応じて検索結果の上や下に表示される広告のことです。たとえば「英会話オンライン」や「不動産査定」と検索すると、「広告」と書かれたリンクを目にすることがあります。これがリスティング広告です。

広告主は、あらかじめ設定したキーワードに基づいてリスティング広告を出稿し、ユーザーがその広告をクリックしたときにだけ費用が発生します。この仕組みを「クリック課金制」と呼び、無駄な広告費を抑えながら、興味を持った人にだけ効果的にアプローチできるのが特徴です。費用は1日ごとに上限を決めて設定できるため、初心者でも安心して始められます。たとえば「1日2,000円」などの予算を設定すれば、その金額の範囲内で広告が自動的に配信されます。Google広告もYahoo!広告も、アカウントを作成するだけで簡単に出稿を始められ、キャンペーンの作成から広告文の設定、配信までオンラインで完結します。パソコンがあれば誰でも利用でき、特別な知識がなくても始めやすい広告方法です。

SEOや他の広告との違い

リスティング広告は、SEOやディスプレイ広告、SNS広告といった他のオンライン広告と比べて、より「検索意図に寄り添った」広告手法です。SEOは、自社サイトを自然検索で上位に表示させるための取り組みですが、結果が出るまで時間がかかる傾向があります。一方でリスティング広告は、出稿後すぐに検索結果に表示されるため、即効性の高さが大きな魅力です。また、SNS広告のように属性情報(年齢・性別・趣味など)で配信対象を決めるのではなく、「検索された言葉」=ユーザーの関心そのものに基づいて広告を出せる点が強みです。そのため、購入や申し込みなど行動意欲が高いユーザーに届きやすく、成果につながりやすいのです。さらに、広告の配信地域や時間帯、デバイス(スマートフォン・パソコン)を細かく設定できるため、効率的な広告運用が可能です。Google広告とYahoo!広告の両方で配信を行えば、国内の検索利用者の大部分をカバーできるため、より多くの見込み顧客にリーチできます。

仕組みと費用の考え方

リスティング広告の掲載順位は、入札金額だけで決まるわけではありません。GoogleやYahoo!では「品質スコア」と呼ばれる評価基準を使って、広告文やクリック率、キーワードとの関連性などを総合的に判断しています。品質スコアが高い広告は、入札額が低くても上位に表示されやすくなります。つまり、リスティング広告の内容を丁寧に作り込み、ユーザーにとって役立つ情報を提供することが成果への近道です。費用はクリックごとに発生するため、1クリックあたりの単価(CPC)をもとに日予算を設定して管理します。たとえばクリック単価が100円で1日200回クリックされた場合、費用は2万円です。キャンペーンごとに予算を分けることで、商品Aと商品Bなど複数の広告を同時に出稿しても、それぞれの効果を比較できます。さらに、コンバージョン(購入・申込み)を確認しながらクリック単価や広告文を調整すれば、費用対効果を高められます。リスティング広告は、出稿して終わりではなく、データをもとにした継続的な運用が成果を左右する広告です。Google広告・Yahoo!広告ともに同様の仕組みで運用できるため、どちらか一方に慣れればもう一方もスムーズに始められます。

出稿前に準備すべきこと

広告配信の目的とKPI設定

リスティング広告を出稿する前に、最初に行うべきことは「リスティング広告を通じて何を達成したいのか」を明確にすることです。単にアクセス数を増やしたいのか、商品購入や資料請求などのコンバージョンを獲得したいのかによって、設定内容は大きく変わります。目的が曖昧なまま広告を出稿すると、費用だけが消化され、効果を判断できないまま運用が進んでしまうことがあります。そこで重要になるのがKPI(重要業績評価指標)の設定です。クリック率(CTR)・コンバージョン率(CVR)・コンバージョン単価(CPA)などを明確にしておくことで、出稿後のデータをもとに費用対効果を判断できるようになります。また、目的に応じたキャンペーン構成をあらかじめ設計し、広告グループやキーワードの配置を整理しておくと、後の設定作業がスムーズです。Google広告やYahoo!広告どちらを利用する場合でも、初期の段階で「達成したい目標」を具体的に定義することが運用成功の第一歩となります。

ターゲット・キーワード選定とランディングページ準備

広告配信の目的が決まったら、次に「誰に」「どんな内容で」広告を届けるかを考えます。リスティング広告は検索キーワードに連動して表示される仕組みのため、キーワード設定が成果を大きく左右します。たとえば「オンライン英会話」や「不動産投資初心者」など、ユーザーが実際に検索しそうな言葉を中心に考えます。最初は関連性の高いキーワードを少数に絞り、運用の中でクリック率やコンバージョン率を見ながら徐々に拡張していくと効果的です。また、広告がクリックされた後に表示されるランディングページ(LP)も重要な要素です。広告文とLPの内容が一致していないと、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。たとえば「無料相談受付中」と広告に書かれているのに、LPで申し込みフォームが見つからない場合、クリック費用が無駄になってしまいます。広告とページの整合性を高めることで品質スコアが向上し、クリック単価を下げながら上位表示を狙うことができます。さらに、地域やデバイスなどターゲット層を明確にしておくと、キャンペーン設定時に無駄な配信を防ぐことができます。こうした事前準備が、運用全体の効率と費用対効果を大きく改善します。

アカウント作成時に確認すべき設定項目・広告審査

Google広告とYahoo!広告のどちらも、広告を出稿する前に「アカウントの開設」と「広告審査」が必要です。
アカウントを作成する際には、会社名・支払い情報・キャンペーン名・配信スケジュールなどの基本設定を登録します。特に予算と入札単価の設定は慎重に行う必要があります。予算を高く設定しすぎると費用が急速に消化される一方で、低すぎると配信回数が少なくなり、十分なデータが集まりません。まずは1日あたりの上限予算を決め、配信結果を見ながら段階的に調整していくと良いでしょう。
審査では、広告文の内容やリンク先ページが掲載ポリシーに違反していないかを確認されます。誇大表現や虚偽の記載、社会的に不適切な表現がある広告は掲載が拒否されるため、事前にチェックしておくことが大切です。

また、広告出稿時にはキャンペーン構造をあらかじめ設計しておくことも重要です。1つのキャンペーンに複数の広告グループを設け、それぞれに関連性の高いキーワードと広告文を設定すると、後の分析や運用が容易になります。たとえば「不動産投資」と「資産運用」を別グループで管理すれば、クリック率やコンバージョン率を比較しながら効果的な調整が可能です。出稿の初期段階からこのような構造を整えておくことで、後の運用効率が大きく向上します。
さらに、コンバージョンタグの設置や分析ツール(Googleアナリティクスなど)との連携も早めに準備しておくと、広告配信後の成果測定がスムーズになります。リスティング広告は出稿してからが本番であり、事前の設定や確認作業が成功を左右します。準備段階でその後の運用を意識した設計を行うことが、最小限の費用で最大の効果を出すための鍵です。

Googleリスティング広告の出稿方法

Google広告アカウントの開設

Googleリスティング広告を出稿するには、まずGoogle広告へアクセスし、今すぐ開始のボタンを押してアカウントを作成します。Googleアカウントでログインすると無料ですぐに利用を開始できます。アカウント登録時には、次の基本情報を設定します。

  • 企業名または個人名
  • ウェブサイトURL
  • 支払い方法(クレジットカードまたは銀行振込)
  • 広告配信地域や通貨設定

Google広告では「スマートモード」と「エキスパートモード」の2種類が用意されています。将来的に詳細な設定や入札の調整を行う予定がある場合は、最初からエキスパートモードを選択すると良いでしょう。エキスパートモードでは、キャンペーン目的や予算、キーワード設定、配信エリアなどを細かく指定できます。

1つのアカウントで複数のキャンペーンを管理できるため、商品やサービスごとに出稿内容を分けて運用すると効果を比較しやすくなります。初めて利用する場合は、まず小規模なキャンペーンを作成し、配信の流れや設定項目を把握してから本格的に出稿するのが安心です。

キャンペーン作成と配信タイプ設定

アカウントを作成したら、次にキャンペーンを作成します。Google広告では目的に応じて複数のタイプを選択でき、リスティング広告を出す場合は「検索広告」を選びます。検索広告は、ユーザーが入力したキーワードに基づいて広告を表示する最も基本的な形式です。

キャンペーン作成時には、次のような設定項目を調整します。

  • 目的:販売促進、見込み顧客の獲得、サイト訪問数の増加など
  • 配信地域:広告を表示するエリアを選択(都道府県・市区町村単位)
  • デバイス設定:スマートフォンやPCなど配信先を指定
  • スケジュール:配信する曜日や時間帯を指定
  • 予算設定:1日ごとの上限を設定し、クリック課金型の費用を管理

キャンペーンの作成手順は以下の通りです。

手順に沿って進むと、上図のようにキャンペーン目標が8点表示されます。

  • 販売促進
  • 見込み顧客の獲得
  • ウェブサイトのトラフィック
  • 商品やブランドの比較検討
  • ブランド認知度とリーチ
  • アプリのプロモーション
  • 来店数と店舗売上の向上
  • 目標を指定せずにキャンペーンを作成する

このなかから、自身に最適なキャンペーンの目的を選択しましょう。

今回は一番左上の販売促進を選択します。
すると以下の項目が現れます。リスティング広告へ出稿する際は「検索」を選択します。

検索を選択したら、事前に準備しておいた設計の内容を手順に沿って記載していきます。

キャンペーン名は訴求や商材名など社内で分かりやすい名称にしておきましょう。

地域や言語に関しては、基本的には日本国内、日本語としておけば問題ありません。
インバウンド向けに訴求を実施したい方は適切な言語設定を行いましょう。この際、国は日本のままで問題ありません。

ここまできたら1日の予算を入力して、キャンペーンの設定は完了になります。

この間に広告グループの設定とキーワードの設定画面が入る場合がありますが、慣れていない場合、まずはキャンペーンの作成を終わらせてから、広告グループの作成に移りましょう。

その後手順に沿って進めていくと、最後の確認画面に到達します。
これでキャンペーンの設定は完了します。

クリック課金型とは、広告が表示されただけでは費用が発生せず、ユーザーが実際に広告をクリックした場合にのみ料金が発生する仕組みです。これにより、限られた予算の中で効率的に広告を配信できます。配信結果を見ながら設定を調整し、クリック数やコンバージョンの動きを確認することで最適化が進みます。

キーワード設定

ここまできたら、キーワードを設定となります。キーワードの設定では、ユーザーが実際に検索するキーワードをもとに選定します。Google広告では以下の3つのマッチタイプを選択できます。

  • 完全一致:登録したキーワードと完全に一致した検索キーワードにのみ広告を表示
  • フレーズ一致:登録語句を含む検索キーワードに表示
  • インテントマッチ(旧部分一致):関連性の高い検索キーワードでも広告を表示

初期段階ではインテントマッチを中心に設定し、配信データをもとに精度を高めていくと効果的です。成果が安定してきたら完全一致に切り替え、より意図に沿った配信に調整します。また、「無料」「比較」など購買意欲の低い検索キーワードは除外キーワードとして登録し、無駄なクリックを防ぐことがポイントです。

キャンペーンの設定が完了したら、広告グループの作成に移ります。
訴求する商材や訴求軸が1つしかない場合、広告グループは1つで問題ありません。

商材が複数ある場合、1つの商材に対して、訴求するポイントが複数あり、それぞれにLPが存在する場合は広告グループでグルーピングして管理すると適切なユーザーに適切な広告を表示しやすくなります。

広告作成と表示オプション設定

広告は、ユーザーの検索意図に応じた内容で作成することが重要です。広告は「見出し15個」「説明文4個」「リンク先URL1つ」で構成され、検索結果に直接表示されます。
ポイントとして見出し、説明文はなるべく全部埋まるように考えましょう。

作成の際は次の点を意識しましょう。

  • 見出し:主要なキーワードを自然に含め、検索ユーザーの関心を引く内容にする
  • 説明文:商品の特徴やサービスの強みを簡潔に伝える
  • リンク先URL:関連するページに誘導して離脱を防ぐ
【例】
  • 見出し:「不動産投資の始め方を専門スタッフがサポート」
  • 説明文:「少額から始める資産運用。無料相談受付中!」

複数の広告を作成してテストを行い、クリック数やコンバージョン数が高いパターンを残すと効率的です。また、広告表示オプションを活用すると、電話番号・住所・サイトリンクなどを追加でき、広告面積が拡大してクリックを獲得しやすくなります。

品質スコアを高めるためには、広告作成内容とキーワード、ランディングページの関連性を揃えることが大切です。ユーザーが検索したキーワードと広告内容が一致していれば、掲載順位も上がりやすくなります。

予算設定と入札の考え方

Google広告では、1日の予算を設定して出稿費を管理します。たとえば、1日あたり5,000円の予算を設定すると、その範囲内で広告が自動的に配信されます。配信量を調整したい場合は、予算を増減させることで制御が可能です。

入札金額(クリック単価の上限)は、広告の表示順位に関わる要素のひとつですが、単に高く設定すれば上位に表示されるわけではありません。Googleでは「品質スコア」という仕組みを採用しており、広告とキーワード、ページ内容の関連性が高い場合は、比較的低い入札でも上位に表示されることがあります。

初心者は自動入札を利用して配信を開始し、データが蓄積してから手動入札に切り替えると良いでしょう。入札設定を変更する場合は、クリックの推移や時間帯、地域を参考にしながら調整します。予算を効率的に使うために、反応の高い広告グループに重点を置いて配分するのがポイントです。

コンバージョン設定と審査の流れ

広告の効果を正確に測定するためには、コンバージョン設定を行います。コンバージョンとは、ユーザーが問い合わせや購入など特定の行動を完了したことを指します。Google広告の管理画面でタグを発行し、自社サイトの完了ページ(サンクスページ)に設置すると、どの広告やキーワードからコンバージョンが発生したかを把握できます。

タグ設定が完了したら、広告を入稿して審査を受けます。審査では広告内容やリンク先ページがポリシーに準拠しているかが確認されます。通常1〜2営業日で審査が完了し、問題がなければ広告配信が開始されます。

出稿後は、検索結果での表示状況を確認しながら、クリック数やコンバージョン数の推移を見て設定を最適化します。配信結果に応じて広告を作成し直すことで、より効果的な運用が可能になります。予算の消化が早い場合は、配信時間や地域を絞るなどして効率を高めましょう。

Google広告の仕組みを理解し、設定・作成・出稿の流れを押さえておけば、誰でも少ない予算で効果的な広告運用を始められます。継続的に設定を見直し、検索の動向やクリックデータを参考に改善を続けることが、コンバージョンを増やすための鍵です。

Yahoo!リスティング広告の出稿方法

Yahoo!広告アカウントの作成

Yahoo!広告を利用するには、まずビジネス用のYahoo!JAPANビジネスIDを取得し、管理画面にログインします。アカウント作成時には、以下の情報を登録します。

  • 会社名または個人名
  • メールアドレスと電話番号
  • 支払い方法(クレジットカードまたは口座振替)
  • ウェブサイトURLと広告掲載国

管理画面では「検索広告」と「ディスプレイ広告」の2種類を選択できます。リスティング広告を出稿する場合は「検索広告」を選びましょう。検索広告は、ユーザーが入力したキーワードに基づいて広告を表示する仕組みで、購買意欲の高い層へ効率的にアプローチできます。

Yahoo!広告は、Google広告よりも直感的な管理画面が特徴で、初心者でも比較的扱いやすい構成になっています。アカウント作成後は「アカウントID」「キャンペーンID」「広告グループID」が自動で割り当てられ、複数のキャンペーンを1つのアカウント内で管理できます。複数の商品やサービスを展開している場合は、それぞれ別キャンペーンを作成して設定を分けると運用しやすくなります。

キャンペーン作成とターゲティング設定

アカウント作成が完了したら、次にキャンペーンを作成します。目的に応じて「コンバージョンの獲得」「アクセス増加」「ブランド認知向上」などから選択します。

設定項目は以下の通りです。

  • キャンペーン名:運用時に区別しやすい名称を設定
  • 配信地域:都道府県や市区町村単位で指定
  • デバイス設定:PC・スマートフォン・タブレット別に配信を調整
  • スケジュール:曜日・時間帯を設定し、無駄な配信を防止
  • 1日あたりの予算:上限金額を設定して出稿を管理

設定方法

まずはYahoo!のアカウントを用意し、Yahoo!広告の申し込みを行います。
申し込みURL(https://promotionalads.business.yahoo.co.jp/olsui/signup/index)
全て入力をし、進むと​​「携帯電話番号とメールアドレスの認証」画面が表示されます。

認証が完了すると申し込みが完了します。

すると配信面を選択できる画面に移るので、検索広告(リスティング)を選択します。

以降はGoogleと同様の手順で広告キャンペーン⇨広告グループ⇨キーワード設定⇨広告作成の順で出稿を行なっていきます。

設定に際して、1日の予算設定を行うことで、広告費が想定を超えるのを防ぎながら、安定した出稿を維持できます。配信が早く終了してしまう場合は、上限をわずかに引き上げる、または配信時間帯を調整することで改善できる場合があります。

Yahoo!広告では「自動入札」機能を利用することで、コンバージョンデータやクリック履歴をもとにシステムが最適な入札金額を自動的に調整します。手動で設定するよりも効率的に配信できるため、初めて運用する場合は自動入札を選択すると良いでしょう。

キーワード設定と広告グループの構成

キャンペーンを作成したら、広告グループを作成します。広告グループは同じテーマを持つ広告の集まりで、商品・サービスの特徴ごとに分けておくと設定や分析がしやすくなります。

キーワードの設定は、ユーザーが実際に検索するワードをもとに行います。Yahoo!広告では以下の3種類のマッチタイプを利用できます。

  • 完全一致:登録した語句と完全に一致する検索語句にのみ表示
  • フレーズ一致:登録語句を含む検索語句に表示
  • インテントマッチ:類似や関連する語句でも広告を表示

関連性の高いキーワードを設定することで、より意図に合った検索結果に広告を出せます。一方で、関係の薄い検索語句を除外するためには「除外キーワード」を設定しておきましょう。たとえば「無料」「比較」「口コミ」など購買意欲が低い検索を避けることで、予算の無駄な消化を防げます。

広告作成と配信の流れ

広告の作成では、検索意図に沿った内容で構成することが重要です。広告は「見出し」「説明文」「リンク先URL」で構成され、検索結果に直接表示されます。

作成時のポイントは以下の通りです。

  • 見出し:主要なキーワードを自然に含める
  • 説明文:商品の特徴や魅力を簡潔に伝える
  • リンク先URL:ランディングページ(LP)に直接誘導する
【例】
  • 見出し:「英会話の始め方|無料体験レッスン受付中」
  • 説明文:「初心者でも安心。予約は1分で完了。体験で学びの第一歩を!」

Yahoo!広告では、広告を複数作成して同時に出稿することが可能です。複数の広告を比較し、自動的に反応の良いものを優先的に表示する仕組みを活用することで、より高いクリック数を獲得できます。

また、「広告表示オプション」を設定すれば、電話番号・住所・サイトリンク・追加説明などを広告に加えられます。これにより、広告面積が広がり、クリックを獲得しやすくなります。広告作成の際は、キーワードと広告内容、ランディングページの一致を意識して品質スコアを高めましょう。検索語句と広告の関連性が高い場合、掲載順位が上がりやすくなります。

予算設定と入札の考え方

Yahoo!広告では、1日の予算を設定して出稿を管理します。たとえば「1日あたり3,000円」と設定すれば、その範囲で広告が配信されます。出稿直後に配信が止まる場合は、配信スケジュールや地域設定を見直すことで改善できる場合があります。

入札金額の設定では、クリック課金型の仕組みが採用されていますが、単価を高くすれば上位に表示されるわけではありません。広告の品質やキーワードとの関連性も重要な評価項目です。入札額だけでなく、広告作成内容やページの整合性を高めることが効果的です。

初心者は自動入札を利用して配信を開始し、データが蓄積してから手動設定に切り替えると良いでしょう。手動で調整する場合は、時間帯・地域・デバイス別のクリック状況を分析し、より効果的な条件に設定を変更します。

予算を効率的に活用するためには、反応が良いキャンペーンに優先して配分することがポイントです。配信状況を確認しながら、必要に応じて設定を見直すことで、全体の出稿効率を高められます。

審査と配信の確認

広告を作成したら入稿を行い、Yahoo!による審査を受けます。審査では、広告内容やリンク先ページがガイドラインに準拠しているか、不適切な表現や禁止商品が含まれていないかを確認します。通常1〜2営業日で審査が完了し、承認されると広告が自動的に配信されます。

配信開始後は、検索結果に実際に広告が表示されているかを確認します。配信状況を定期的にチェックし、設定が意図通りに動いているかを見直します。クリック数や検索クエリレポートを確認することで、どの検索語句から反応があるかを把握できます。

もしクリックが特定の時間帯や地域に集中している場合は、配信スケジュールを最適化し、予算を重点的に配分するのが効果的です。Yahoo!広告ではレポート機能が充実しており、検索語句や広告設定ごとのデータを確認できます。これらの情報をもとに広告作成を見直し、検索意図に合うよう改善を重ねることで、より効率的な出稿が可能になります。

Yahoo!リスティング広告は、Google広告と同様に手順や設定の流れが理解しやすい仕組みです。特に予算管理や広告作成の自由度が高く、細かい調整ができる点が特徴です。出稿後は検索結果やクリック状況を確認しながら、継続的に設定を見直すことが、安定した広告効果を維持するための鍵となります。

Bingリスティング広告の出稿方法

特徴とアカウント作成

リスティング広告の配信先としてはGoogle広告とYahoo!広告が主流ですが、もうひとつの選択肢として注目されているのがMicrosoftの検索ネットワークです。Windowsパソコンの標準検索エンジンとして利用される機会が多く、特にビジネス層への訴求に適しています。競合が少ない分、クリック単価(CPC)が比較的低く、費用を抑えながら広告を配信できる場合があります。

アカウント作成は、MicrosoftAdvertisingの公式サイトから簡単に行えます。手順は次の通りです。

  • 公式サイトにアクセスし、「Signupnow」をクリック
  • メールアドレス・企業名・住所・電話番号を登録
  • 支払い方法(クレジットカードまたは請求書払い)を設定
  • 広告アカウント情報を確認し、通貨を「日本円」に設定

既にGoogle広告を利用している場合は、キャンペーンのインポート機能を使うと便利です。広告設定、キーワード、入札単価、広告文などを自動的に移行できるため、出稿準備の時間を大幅に短縮できます。

キャンペーンとキーワード設定

アカウントの準備が整ったら、キャンペーンを作成します。Google広告と手順はほぼ同じで、目的・地域・予算などを設定していきます。

主な設定項目は以下の通りです。

  • キャンペーン目的:例)サイト訪問、コンバージョン獲得、ブランド認知向上
  • 配信地域:国・都道府県・市区町村単位で設定可能
  • デバイス設定:スマートフォン、PC、タブレット別に配信を調整
  • スケジュール設定:曜日や時間帯を指定して無駄な配信を防止
  • 1日の予算設定:費用の上限を決めてコントロール

続いて、キーワードの設定を行います。Bing広告ではGoogle広告と同様に、以下の3種類のマッチタイプが使用できます。

  • 完全一致:登録した語句と完全に一致した検索語句のみ表示
  • フレーズ一致:指定語句を含む検索語句に表示
  • インテントマッチ:関連する語句や類似語句にも広告を表示

キーワードは、検索ボリュームが多く自社サービスと関連性の高いものを中心に設定します。また、「無料」「口コミ」「評判」など購買意欲の低い検索を避けるため、除外キーワードを設定して無駄なクリックを減らしましょう。

広告文作成と入稿の流れ

広告文は、ユーザーの目に最初に触れる重要な要素です。クリック率を高めるためには、検索意図を的確に捉え、短くわかりやすく伝えることが大切です。構成は次の3要素で成り立っています。

  • 見出し:メインキーワードを含め、興味を引く訴求文にする
  • 説明文:商品の特徴や強みを簡潔にまとめる
  • リンク先URL:ランディングページ(LP)に直接遷移させる
【例】
  • 見出し:「不動産投資の無料相談|少額から始められる資産運用」
  • 説明文:「経験豊富なスタッフが初心者をサポート。無料セミナー実施中!」

広告文を複数登録してA/Bテストを行い、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)が高いパターンを優先的に採用しましょう。また、「広告表示オプション」を設定すると、電話番号・サイトリンク・追加説明文などを表示でき、広告面積が広がりクリック率の向上が期待できます。

広告を入稿すると自動的に審査が行われます。

  • 審査期間は通常1〜2営業日
  • 広告文・リンク先・キーワードがガイドラインに沿っているかを確認
  • 問題がなければ配信が開始

出稿後の確認と改善のポイント

広告が配信されたら、次のような主要指標を定期的に確認します。

  • クリック率(CTR):広告文の魅力度を測る指標
  • コンバージョン率(CVR):クリック後に成果につながった割合
  • コンバージョン単価(CPA):1件の成果にかかった費用
  • 品質スコア:広告文・キーワード・ランディングページの関連性

これらのデータをもとに、キーワードの追加・除外や広告文の修正を行い、効果を高めていきます。クリック率が低い場合は見出しや説明文を改善し、コンバージョン率が低い場合はランディングページを見直します。

また、成果の高い広告グループやキャンペーンに予算を再配分することで、全体の費用対効果(ROAS)を改善できます。管理画面のレポート機能を活用し、定期的に数値を確認して調整を続けましょう。

リスティング広告は、出稿して終わりではなく継続的な運用と改善が重要です。Google広告やYahoo!広告と並行して配信を行うことで、異なる検索層にリーチでき、全体的な広告効果をさらに高めることが可能になります。

出稿後の運用と改善

広告配信後に確認すべきポイント

リスティング広告を出稿したあとも、広告設定や検索結果での表示状況を定期的に見直すことが重要です。出稿直後は配信が安定しない場合もあるため、設定が正しく反映されているかを把握しましょう。広告が意図したユーザー層に届いているか、クリックやコンバージョンが適切に計測されているかをチェックします。

見直しの際は、次のポイントを意識すると効率的です。

  • 検索キーワードの一致状況:設定したキーワードで広告が正しく配信されているか
  • 配信エリアやデバイスの設定:地域やデバイスが想定どおりに機能しているか
  • 広告作成内容との整合性:見出しや説明文がランディングページと一致しているか
  • 予算の消化ペース:設定した1日あたりの予算が適切かどうか

これらを把握することで、出稿設定の改善点が明確になります。特にコンバージョン数が少ない場合は、キーワードや広告作成内容を見直すと効果的です。配信結果を定期的にチェックし、クリックやコンバージョンが正しく反映されているかを確認しておくことが重要です。

除外キーワードと広告作成の見直し

広告を配信していると、想定していない検索キーワードで広告が表示される場合があります。たとえば「無料」「口コミ」「比較」など、購買意欲が低い検索がクリックを集めてしまうケースです。こうした場合は、除外キーワードを設定して無駄な費用を削減します。除外設定を行うことで、よりコンバージョンにつながりやすい検索結果に予算を集中させることができます。

また、広告を改善する際は、既存の広告を微調整するよりも、新しい広告を作成して比較するほうが効果的です。Google広告やYahoo!広告では、複数の広告を同時に出稿し、自動的に反応の良いパターンを優先表示する仕組みがあります。反応が弱い場合は、広告作成時に見出しやキーワードの配置を工夫してみましょう。

【例】
  • 「不動産投資を始めるなら」→「不動産投資の始め方をサポート」
  • 「無料相談はこちら」→「初回限定・無料相談の予約受付中」

小さな変更でも検索意図に合致すれば、クリックやコンバージョンが増えやすくなります。

Google・Yahoo!共通で押さえる設定のコツ

Google広告とYahoo!広告の管理画面は異なりますが、どちらもコンバージョンを増やすために共通して意識すべき設定項目があります。

  1. データをもとに調整する

    短期間の結果だけで判断せず、クリック数やコンバージョン数の推移を見ながら設定を改善します。

  2. 広告作成とランディングページの一貫性を保つ

    検索で入力されたキーワードと広告内容、ページ内容が一致しているほどコンバージョン率が高まります。

  3. 予算配分を柔軟に見直す

    複数のキャンペーンを運用している場合は、反応が良くコンバージョンが多い広告に予算を再配分します。

また、GoogleとYahoo!の両方で広告を運用する場合、それぞれのユーザー層に合わせた調整も大切です。Googleは自動最適化機能が強力で、コンバージョンデータを活用して入札額を自動調整します。Yahoo!は地域や年齢などターゲット設定の柔軟性が高いため、細かな設定を重ねて配信効果を高めましょう。

レポート機能と自動化の活用

出稿後の運用を効率化するには、レポート機能や自動化設定を活用します。Google広告・Yahoo!広告ともに、AIを活用した自動入札機能やレポート作成機能が搭載されています。

主な活用方法は次の通りです。

  • 自動入札設定:クリックやコンバージョンの履歴をもとにAIが入札額を自動調整
  • 自動レポート送信:毎週・毎月の出稿データを自動で集計
  • 検索クエリレポート:実際にどんな検索キーワードで広告が表示されたかを把握できる

これらを活用することで、時間をかけずに効果的な運用が可能になります。レポートをもとに、コンバージョン数やクリック数の動向を分析し、設定を最適化していきましょう。反応の良い広告には追加の予算を配分し、コンバージョンが少ないキャンペーンは見直すなど、柔軟な対応が成果につながります。

リスティング広告は、出稿後も設定の見直しと広告作成の改善を続けることで、安定したコンバージョンの獲得につながります。検索結果の動きを意識しながら、定期的に出稿内容を更新していくことが、費用を抑えつつ広告効果を最大化する確実な方法です。

まとめ

リスティング広告は、少ない費用でも自社の商品やサービスを求めるユーザーに直接アプローチできる効果的な広告手法です。Google広告やYahoo!広告のようなリスティング広告では、ユーザーが入力したキーワードに応じてリスティング広告が表示されるため、購買意欲の高い層に訴求できます。出稿の流れとしては、まずアカウントを開設し、キャンペーンの目的や配信地域、キーワード、広告文を設定します。出稿後はクリック率やコンバージョン率、品質スコアなどの指標を確認しながら、入札単価や広告文をブラッシュアップしていくことが成果向上の鍵です。

また、Google広告は自動入札や分析機能が充実しており、Yahoo!広告は地域や年齢など細かいターゲティングが可能です。両方を併用することで、より幅広いユーザーにリーチでき、費用対効果の最大化が期待できます。運用を自社で行う場合は、除外キーワードの設定やランディングページの改修など、日々のデータ分析を欠かさないことが重要です。一方、時間やリソースが限られている場合は、専門知識を持つ広告代理店への依頼も有効な選択肢です。

リスティング広告は、出稿・設定・運用・改善を繰り返すことで効果が高まる仕組みです。基本を理解し、数値をもとにした継続的な運用を行うことで、限られた予算でも安定した成果を得ることができます。

WRITER

Google広告、Yahoo!広告、SNS広告(Instagram、X(旧 Twitter)、Tiktok)等で広告運用を担当。
クリック単価削減とコンバージョン率向上を実現する広告戦略を提供。データ分析に基づき、迅速な改善策を提案し、成果を最大化しています。

リスティング広告の出稿方法|Google・Yahoo!・Bingの設定ポイント

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