- 2024.12.13
- リスティング広告
【Google広告】P-MAXキャンペーンとは?特徴と設定方法を解説!
年々自動化が進むGoogle広告に2021年に新しく「P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーン」が登場したのはご存じでしょうか。
従来は配信面ごとにキャンペーンを分けていましたが、このP-MAXを用いることで、複雑な設定や手動調整を必要とせずに、Google広告の全広告枠(検索結果・ディスプレイ・YouTubeなど)へと1つのキャンペーンから広告を配信できるようになります。
この記事では、P-MAXキャンペーンのメリット・デメリットから設定方法、そして運用する際のポイントについて、初心者向けにご紹介します。
これから利用を検討している方はぜひこの情報を参考にしてみてください。
▼この記事がおすすめな方
- P-MAXキャンペーンのメリット・デメリットを理解したい
- P-MAXキャンペーンの配信や設定手順を知りたい
- P-MAXキャンペーンの注意点を確認したい
P-MAXキャンペーンとは
P-MAXとは「Performance Max(パフォーマンス最大化)」の略で1つのキャンペーンでGoogle広告枠の全てに広告配信が可能といった特徴があります。
P-MAXキャンペーンは、配信面やクリエイティブの内容そのものが新しくなったわけではありません。
むしろ既存のGoogle広告の全掲載面へ1つのキャンペーンから配信し、「高いパフォーマンスを達成する」ことを目的としたキャンペーンになります。
Googleからは広告で主流となっている検索連動型のキャンペーンを補完して役立つものとされています。
P-MAXキャンペーンのメリット
P-MAXキャンペーンのメリットをご紹介していきます。
Google 広告の全ての配信面に掲載できる
以前からスマートショッピングキャンペーンやファインドキャンペーンのように、複数の広告枠に配信可能なプロダクトは存在していました。
P-MAXキャンペーンではこれまでにない「1つのキャンペーンでGoogle広告の全広告枠をカバーできる」という点が特徴的と言えます。
画像引用元:Performance Max campaigns launch to all advertisers (Google公式ブログ)
主な配信面は以下の通りです。
- Google検索
- Googleショッピング
- Googleディスプレイ
- YouTube
- Discover
- Gmail
- Googleマップ
広範囲なユーザーへのアプローチが可能
P-MAXキャンペーンを利用することで、Google広告の全ての掲載面を通じて、より多くのユーザーへと広告を届けることが可能になります。
これにより、これまでリーチできていなかったユーザー層への広告配信が可能となり、未開拓層にリーチできるチャンスが広がります。
また、広告の表示範囲が広がることで、購買意欲が高いユーザーやコンバージョンの可能性が高いユーザーにも、広告を見てもらえる可能性が上がります。
機械学習による最適化と自動化
さらに注目すべき点は、機械学習を駆使した最適化と自動化の進展です。
これまでにも機械学習を利用した最適化は実施されていましたが、キャンペーンが複数に分散していたため、十分なデータ量を確保できないこともありました。また、キャンペーンの設定や予算管理にも人の手が必要でした。
しかし、P-MAXキャンペーンでは、複数の広告枠に対して一つのキャンペーンから一括で配信が可能となるため、豊富なデータ量と多様なバリエーションを活用できます。
さらに、配信量の調整をはじめとする多くのプロセスが機械学習によって自動化されるのです。
キャンペーン管理の負担が減る
従来、異なる掲載面に配信する際には、各枠ごとにキャンペーンを立ち上げる必要があり、予算の設定、ターゲティング、クリエイティブの調整といった各種管理を個別に行う必要がありました。
しかし、P-MAXキャンペーンを使用することで、最適な配信面とクリエイティブ選定を予算範囲内で自動的に管理してくれるようになります。
広告運用を、ほとんどAIに「おまかせ」することができるので、管理者の観点からすると管理の手間が少なくなったといえるでしょう。
P-MAXキャンペーンが向いているケース
P-MAXキャンペーンの大きな利点は、従来のキャンペーンに比べて管理負担を減らしながらコンバージョン率の向上が見込める点です
Googleの公式ブログによると、P-MAXキャンペーンを採用した広告主は、同一の単価を保持しながらも、平均で18%以上のコンバージョン率の増加を実現していると報告されています。
参照:New ways to multiply your results with Performance Max(Google公式ブログ)
P-MAXキャンペーンは、機械学習に基づく成果獲得型のキャンペーンであり、特定の条件下ではその効果を最大限に引き出すことができます。
特に、次のような状況であれば、P-MAXキャンペーンの効果は顕著に現れます。
- 既に検索広告(リスティング)を利用しており、データが既に蓄積されている場合
- オンライン売上の増加や見込み顧客の獲得といった目標が設定されている
さらに、複数の広告枠に既に配信している場合は、既存のアセット(画像やテキスト、動画、ランディングページなど)を活用することで、準備作業を簡単に始められます。
P-MAXキャンペーンのデメリット
メリットの多いP-MAXキャンペーンにもデメリットが存在します。2024年2月現在、どのようなデメリットがあるのか解説していきます。
細かな設定が難しい
自動最適化の利点の反面、P-MAXキャンペーンはユーザーによる詳細な調整を行いにくくなっています。
主に「予算」と「クリエイティブアセット(例えば見出しや画像)」のみが調整可能で、「特定の配信面への指定」「特定キーワードの排除」「特定形式のクリエイティブのみを配信」といったような具体的な調整はできません。
基本的に細かい部分はAIの判断に委ねられます。
配信結果の状況がわかりにくい
P-MAXキャンペーンでは入札戦略が全てAIによる機械学習のため、配信結果がなぜそのようになったのかを考察しにくい傾向があります。
また、P-MAXキャンペーンでは既存のものよりも利用可能なレポートデータが限られており、どのターゲットやクリエイティブが効果的だったかを詳細に分析することが困難です。
キャンペーンを開始する前に、目的、目標、キャンペーンの性質についてしっかりと認識しておく必要があります。
細かいターゲティング設定が行えない
P-MAXキャンペーンでは、特定のリスト(例:自社サイト訪問者、コンバージョンに至らなかったユーザーなど)に対する直接的な広告配信ができません。
「オーディエンスシグナル」を通じてリストを設定することは可能ですが、これは厳密なターゲティングではなく、あくまで参考情報の提供に過ぎない点には注意が必要です。
動画や画像などのクリエイティブの準備が必要
P-MAXを活用する際には、画像や動画などのクリエイティブ素材を準備する必要があり、その点で労力を要します。
クリエイティブ制作は、その性質上、一度作って終わりではありません。
動画制作に関して言えば、ツールを利用することで作成自体は容易かもしれませんが、デザインや動画制作は、完成形に近づくにつれて「色合いを変えたい」、「もっと魅力的なコピーにしたい」といった細部にわたる修正が必要になることが多く、完成までに1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
特に、検索広告と異なり、クリエイティブ制作では明確な正解がなく、デザインの選択や制作期間が手間となることは否めません。
一方で、ディスプレイ広告やファインド広告を既に実施している場合は、P-Max用にサイズや仕様を調整する程度の手間で済むため、新規に始める場合と比較して手間はかからないと言えるでしょう。
P-MAXキャンペーンの設定方法
P-MAXキャンペーンの導入を考えている方のために、これからその設定方法を説明していきます。
①キャンペーンを作成
Google広告の管理画面にアクセスし、「新しいキャンペーンを作成」を選択して、キャンペーンの目標を設定してください。
- 「販売促進」
- 「見込み顧客の獲得」
- 「ウェブサイトのトラフィック」
- 「来店数と店舗売上の向上」←ローカルキャンペーンはP-MAXに置き換わりました
- 「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」
上記5つの中でいずれかの目標を選択するとP-MAXキャンペーンを作成することができます。
今回は「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」から「P-MAX」を選択し、コンバージョン設定やキャンペーン名を選んだら、次へ進みましょう。
②単価設定
「コンバージョン」と「コンバージョン値」を選択できます。コンバージョン単価や目標広告費用効果などを定める場合は入力してください。
新規顧客の獲得に重点を置く場合には「新規顧客に限定して入札単価を設定」にチェックを入れますが、初めて設定される場合や検索広告などでデータ収集できていない場合にはそのままで「次へ」進みましょう。
③キャンペーン設定
つづいて「キャンペーン設定」ではまず「地域」を選択していきます。
広告を表示させたい地域を、国、市区町村、または特定の住所を中心とした半径〇km以内といった方法で指定(または指定除外)することが「別の地域を入力する」から可能です。
「言語」は日本人がターゲットの場合には「日本語」で設定しておきましょう。
「自動作成アセット」の「テキストアセット」は自動的にアセット(広告見出しや説明文)を生成してくれます。指定するテキスト情報のみを希望する場合はチェックを外し、AIも活用する場合にはチェックを入れたまま進みましょう。
「最終ページURL」は広告クリック後に遷移するページ(ランディングページ)のURLを指します。
この機能をオンにすることで、同じドメイン内でコンバージョンの可能性が高いとGoogleに評価されたページが自動的にランディングページとして選択されます。
デフォルトではこの機能はオンになっています。
オンの状態で特定ページへの遷移を避けたい場合にURLを除外設定することが可能です。
ユーザーに意図したページ以外に遷移させたくない場合には、この機能をオフにすることを推奨します。
「その他の設定」では広告の配信スケジュールを設定していきましょう。
④アセットグループの設定
アセットグループ名を設定したら、表示させるクリエイティブとなるアセット(テキスト、画像、動画など)を設定します。
全て入力し終えたら、必ずプレビューを確認して、広告がどのように表示されているかを確認しましょう。
テキストベースのアセット | 規定 |
---|---|
最終ページ URL | 最大半角 30 文字(全角 15 文字) 少なくとも 15 文字(全角 7 文字)以内 |
広告見出し | 最大5つまで設定可能 半角30文字(全角15文字)以下 |
長い広告見出し | 最大5つまで設定可能 半角90文字(全角45文字)以下 |
説明文 | 最大5つまで設定可能 半角60文字(全角30文字)のものが1つ 半角90文字(全角45文字)のものが4つ |
ビジネス名 | 最大半角 25 文字(全角 12 文字) |
行動を促すフレーズ | デフォルトでは「自動(推奨)」ですが、「詳細」「見積もりを希望」「今すぐ適用」「登録」「お問い合わせ」「ダウンロード」「今すぐ予約」「今すぐ購入」から選択可能。 |
画像・動画アセット | 規定 |
---|---|
画像 | ※最大ファイルサイズ:5120 KB 横長の画像(1.91:1) 推奨設定数3枚(1~20枚まで) 推奨サイズ: 1200×628 最小サイズ: 600×314 正方形の画像(1:1) 縦向き画像(4:5) |
ロゴ | ※最大ファイルサイズ:5120 KB 正方形の画像(1:1) 推奨サイズ: 1200×1200 最小サイズ:128×128 横向きのロゴ(1:1) |
動画 | 最大5本の動画まで設定可能 長さ10秒以上 ※動画は必須ではありませんが、入稿がない場合、画像やテキストを基に自動的に動画が生成されます。自動生成はオフにすることはできないため、できるだけ動画をアップすることをお勧めします。 |
参照:アセットグループの仕組み
⑤シグナル設定
ベータ版ではありますが、「検索テーマ」機能がリリースされました。
検索テーマとは、アセット、フィード、ランディングページから情報を収集し、キャンペーンが成功を収めやすいプレースメント(検索キーワードなど)を予測する機能です。
AIによる配信に加えて、既に成果をもたらしている検索クエリなどの情報を学習素材として提供することで、もともとの予測には含まれていなかったものの、高い成果をもたらす可能性のある新たなプレースメントに広告を展開する機会を得ることができます。
検索テーマには、既に貢献している検索広告の語句を取り入れるケースもあれば、意図的にサイト上には存在しない情報を含めるケースもあります。
例えば、女性利用者が多い美容クリニックのウェブサイトがあり、男性利用者が増えている場合、サイト上では明らかになっていない「男性向け」などのキーワードを検索テーマに含めることで、AIがこれらの情報から学習し、効果的な広告配信につなげることができます。最大25個まで追加できるので、積極的に利用していきましょう。
参照:P-MAX で検索テーマを活用して関連性の高い新たなトラフィックに配信する
次にオーディエンスシグナルの設定に進みます。
顧客リスト、ウェブサイト訪問者、またはターゲットとする見込み顧客の興味や属性(例えば年齢や性別)を登録することが可能です。
任意の箇所ですが、登録することをおすすめします。というのも、機械学習による最適化プロセスに追加情報を提供することで、より効率的な広告配信が可能になるためです。
重要な点として、設定されたオーディエンスシグナルは配信される対象を指定するのではなく、ターゲティングのための参考情報として機能します。
そのため、指定したオーディエンス以外のユーザーにも広告が配信されます。
⑥広告表示オプションの設定
これらの追加は広告のパフォーマンス向上に寄与します。また広告のスペースが広くなるので、可能な限り多くのアセットを利用することを推奨します。P-MAXキャンペーンで設定できる広告表示オプションは以下となります。
- 住所表示オプション
- コールアウト表示オプション
- 電話番号表示オプション
- サイトリンク表示オプション
- 構造化スニペット表示オプション
- 価格表示オプション
- リードフォーム表示オプション
↓広告表示オプションの活用についてはこちら
最後に予算を設定し、P-MAXキャンペーンの設定は完了となります。
最終確認画面での情報に間違いがなければ、広告の配信を開始しましょう。
P-MAXキャンペーンのポイントと注意点
この章では、運用する際に抑えるべきポイントと注意点を解説します。
検索キャンペーンと並行して配信する
P-MAXキャンペーンは、広告を全てのチャネルへ配信することができますが、それだけで完結させるものではありません。
まだまだ開発途上であり、そのパフォーマンスには安定性が欠ける場合があります。また、利用可能なレポート項目が限られており、運用上の課題も残されています。
Google広告の公式ガイドラインによれば、P-MAXキャンペーンは、既存の検索キャンペーンを補完する役割を持ち、検索キャンペーンと組み合わせることで、コンバージョン向上が期待できるとされています。
また検索クエリが入札中のキーワードと一致する場合、検索広告が優先されて表示される仕組みになっています。
情報を学習させる機会を与える
データを機械学習に蓄積させるプロセスが必要なため、アセットの数や種類が少なかったり、短期間での配信には不向きであるという点に留意すべきです。
テキスト、画像、動画の各カテゴリーにおいて、可能な限り多くのアセットを準備しましょう。アセットの量と種類が増えることで、より多くの配信チャンネルやユーザーに対して広告を展開できるようになり、配信の機会損失を最小限に抑えることができます。
さらに、豊富な学習データが蓄積されることで、広告の最適化が促進されます。
もし短い期間限定やクリエイティブ素材不足で広告を実施したい場合、他のキャンペーンタイプの検討も行いましょう。
キーワードの除外設定ができない
P-MAXキャンペーンでは、Google検索広告キャンペーンにおけるような除外キーワードの設定ができません。
特定の商材名や社名、競合他社の名前を避けて広告を配信するといった細かな調整ができないため、この点には特に注意が必要です。
除外キーワードはアカウント単位でのみ設定可能
広告を表示させたくないキーワードは個々のキャンペーンでは行えませんが、アカウント単位で設定することができます。
[設定]→[アカウント設定]→[除外キーワード]から追加できます。ただし、アカウント単位であるため、他のキャンペーンにも影響を与えるので注意しましょう。
調整は主に「アセットの入れ替え」
ターゲティングや入札のプロセスが完全に自動化されており、運用者が介入できる範囲は限定的です。その中でも特に重要なのがアセットの更新作業です。
アセットのパフォーマンスは、管理画面の「アセットグループ」から「詳細を表示」を選択することで確認できます。青色「ペンマーク」ボタンから追加編集することも可能です。
ここでは、アセットが「最良」「良」「低」という3つの評価カテゴリーに分けられており(新しく入稿されたものや評価が進行中のアセットは「保留」または「調整中」と表示されます)、掲載結果は通常、「最良」または「良」と評価されたアセットに集中します。
このため、「低」評価を受けたアセットは、改善のために定期的に更新することが望ましいです。
ただし、これらの評価は相対的なものであり、アセットごとに表示回数やクリック数、コンバージョン数などの具体的なデータを確認することはできません。
まとめ
Google広告は長らく機械学習を駆使した自動化を推進しており、特に、P-MAXキャンペーンは、従来別々に運用されていた検索やディスプレイ、YouTubeなどのネットワークを跨いで、広告の配信を行うことができます。
また、細部にわたるアカウント管理を重視してきた広告運用者にとって、P-MAXキャンペーンは広告運用の新たな方向性を示唆しています。従来のようなデータ分析に基づく入札、ターゲティング、クリエイティブの最適化アプローチが、将来的には標準的な運用方法でなくなる可能性も考えられます。
現在、P-MAXキャンペーンは他のキャンペーンタイプを補う役割が強いですが、将来的にはGoogle広告の主流となる可能性があります。
「人為的な細かい調整ができない」「配信結果の理由が分かりづらい」等のデメリットはありますが、P-MAXキャンペーンの導入が広がれば、広告キャンペーンの立ち上げが以前よりも容易になり、広告効果も期待できるため、Google広告のユーザー層がさらに広げることが可能です。
ぜひ本記事を参考に、P-MAXキャンペーンにチャレンジしてみてください。
WRITER
ライターA
ライターAの記事一覧Google広告、Yahoo!広告、SNS広告(Instagram、X(旧 Twitter)、Tiktok)等で広告運用を担当。
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