• 2025.9.16
  • MEO

海外MEO最新情報:AIが評価する時代のMEO対策

海外MEO最新情報:AIが評価する時代のMEO対策
「Googleマイビジネス」の名称は「Googleビジネスプロフィール」に変更になっています。※記事では認知度の関係から「Googleマイビジネス」の表現を残しているものがあります。

こちらでは、いち早くMEOやSEOの情報を把握し、対策を考えていきたい方々のために、Googleの本土、米国をはじめとした海外の最新情報をピックアップし、わかりやすく発信しています。

本記事では、最新のAI動向を含む、MEO関連の情報を現地の記事をまとめながらご紹介します。

AIによる自社の認識チェック

Googleの検索におけるAIの介入|AI モードとは?

5月より米国の検索において大きな地殻変動を起こしている、GoogleのAI モード。ついに日本でも実装が開始されました。(9/2現在では、英語版のみ)AI モードとは、Google検索時にユーザーの意図をより深く理解し、関連性の高い情報を迅速に提示する機能です。基本的なAI モードについての詳細や対策については、こちらで解説しています。

そして、リリースから3か月が経過した米国では、AI モードやAI による概要(AI Overview)への対策がすでに現れ始めています。

AI認知情報の把握

“Regularly check what AI-powered search tools are saying about you and where they’re getting their data.”

(AIが自社をどのように表現しているか、そしてどこからその情報が収集されているかを定期的にチェックする。)

記事元:マイク・ホークス氏(Bright Local)

これまでオウンドメディアのSEO順位やローカルパックの順位(MEO)のみで完結していた評価が、AIの進出により変わってきています。
生成AIによる検索順位の変化はもちろん、AI モードやAI による概要(AI Overview)における認識・評価を把握することが必要です。

  • 生成AIがどのような検索結果をユーザーに公開しているか。
  • AIが対象KWに対してどこから情報ソースを引いてきているか。
  • AIが認知する内容と自社の情報の乖離はあるか。
  • 認知の温度感はポジティブかネガティブか。

これらを段階的に評価することが必要になってきました。

その検索手法の一つとして「Temperature 0.0」という手法が紹介されています。

AIプレゼンスの評価

“The most systematic way to audit your AI presence uses what Metehan Yesilyurt calls the “Temperature Zero Trick.”At temperature 0.0, AI models become completely deterministic, always choosing the most statistically probable response.”

(AIシステムが自社について何を認識しているかを明らかにするために、「Temperature Zero Trick」という手法が推奨されています。これは、AIモデルが最も統計的に可能性の高い応答を選択するよう設定するためのものです。)

記事元:アダム・ヘイツマン氏(Search Engine Land)

こちらの手法は自社名をいくつかのキーワードで検索を行い、その結果からAIによる自社の認知を評価するというものです。

  • 「社名」⇒ 市場での位置づけをテストする
  • 「[社名]何の会社」⇒ 主要な関連性を明らかにする
  • 「[社名]競合」⇒ 競合での位置づけを示す
  • 「[社名]顧客」⇒ 顧客理解を明らかにする

こちらで検索を行い、AI モードやAIによる詳細が表示する内容(サービス内容、受賞歴、会社沿革など)を確認します。そこで見られる情報がAIのトレーニングデータまたは現在の知識ソースから来ていることを示唆しているといえます。
そのため、こういった情報に誤りや、ネガティブな内容があれば、記載のソースをたどり、そちらの情報を修繕する。また、競合の情報であれば、それを参考に改善につなげることが対応策として考えられています。

上記の検索語句は現在、米国で検索を行う際の検索キーワードを意訳したものであり、日本語版がリリースされると、それに伴ったより最適なキーワードが今後生まれてくると予想されます。

次項からはAIの話題とは別に、最新報告されたMEO関連の情報をお届けします。

Googleビジネスプロフィールの複数カテゴリ選定

“Choose the fewest number of categories it takes to describe your overall core business.” I’m gonna strongly disagree here.”

(「コアビジネス全体を説明するのに必要な、最も少ない数のカテゴリーを選ぶ」これには全く同意しない。)

記事元:ジョイ・ホーキンズ氏(Sterling Sky)

こちらの記事では、Googleビジネスプロフィール(GBP)において、Googleのガイドラインに記述されている、事業を説明するためには「最小限のカテゴリを選択する」という推奨に反して、カテゴリを最大10個まで活用することで、さまざまな検索クエリで表示される機会が増え、ランキング改善につながった事例を報告しています。

造園業者や歯科医の事例をあげ、主要カテゴリだけでなく「ホワイトニング」や「歯科衛生士」など、ニッチなサービスに特化した二次カテゴリを追加することで、それらのキーワードでランキングが向上したことが示されています。(あくまで、上昇がみられたのはニッチなカテゴリの方であり、主要カテゴリについては言及されていません。)

AIがビジネスの提供サービスを正確に理解し、関連性の高いユーザーに提示するためにも、詳細かつ網羅的なカテゴリ設定は重要であるといえます。

レビューの鮮度重要性の実例報告

レビュー継続獲得とランキングの相関

レビューの鮮度(Review Recency)は、MEOの効果に大きく寄与することが言われていますが、それを裏付ける記事が報告されました。

“We’ve consistently seen a correlation between the arrival of fresh, timestamped feedback and noticeable ranking improvements.”

(タイムスタンプ付きの新鮮なフィードバックの到着と、顕著なランキングの向上との間に相関関係があることを常に確認してきました。)

記事元:ジョイ・ホーキンズ氏(Sterling Sky)

こちらの記事では、以下のような複数の事例とともにその相関の裏付けをしています。

  • 「最近3年以上レビューがない」など、新規投稿の停滞による順位低下が確認されており、こういった傾向が繰り返し観察されている。
  • レビュー収集の施策を行っていたが、一時停止していた店舗に対し、再開を要請したところ、順位に回復がみられた。

こういった事例から、レビューの鮮度と掲載順位には相関があると発表しています。

上図はクチコミ施策を再開したのちの順位回復の様子。

継続的なレビュー獲得の重要性

上記から、レビューは一度に大量に集めるよりも、継続的に集めることが重要だといえます。
また、最新性が重要とされており、過去に多量のクチコミ評価があったとしても、最後のレビューから長い期間が経過しているとその効果は低くなります。ただし、最新のレビューが入った際には、過去のレビューの効果が発揮されるとも言われています。

つまり、継続的に、新しいレビューが入ってくる状態が理想的と言えます。
またその頻度に関しては、どの程度か明確な記述はありませんが、競合他社が毎週新しいレビューを獲得している場合、自社も毎週レビューを獲得することを目指すべきとしており、競合上位の状況を把握したうえで、その頻度を上回るレビューを目指していくことがよいと記述しています。
私自身もMEO対策業務を行う中で、特に検索ボリュームの多いキーワードでは口コミや評価などを受けたタイミングで順位が変動することを確認しており、こちらの実例は信ぴょう性が高いものと言えます。

MEOの業界別・地域別戦略

“8.7 million Google search results suggests many common local SEO tactics don’t perform the same across industries and regions.”

(870万件のGoogle検索結果は、多くの一般的なローカルSEO戦術が業界や地域によって同じパフォーマンスを発揮しないことを示唆している。)

記事元:マット・G・サウザン氏(Search Engine Journal)

米国のデジタルプラットフォーム企業、Yextによる870万件におよぶGoogle検索結果の分析によると、米国での業界や地域別の多量の検索結果をもとに、それぞれの基準に以下のような違いがあることがわかりました。

業界ごとの違い

  • 飲食業

    直近での高評価レビューが、合計レビュー数やプロフィールの完全性よりも、プロフィールの上位化との相関が強い。

  • ホテルなどサービス業

    写真の量がランキングとは、弱い相関、または負の相関を示すことがあります。厳選された高品質な少数の写真の方が、大規模で焦点の定まらない写真よりも影響力がある場合がある。

地域ごとの違い

地域によってもMEOにおける上位化の要因は異なり、従来のMEO対策への感度が低い傾向があったり、ほかの地域では、レビューの返信の遅延による影響が大きいとされているなど、多くの事例から、地域によっての傾向があることが報告されました。

これらの結果から、日本においても、基本的な施策は行うのはもちろんですが、業界固有および地域固有の戦略をテストする必要があることを示唆しています。

レビューの重要性

上記のとおり、業種や場所によって違いはあるものの、この記事でも言われているのがレビューが最も効果的であるということです。レビュー数、新規レビュー頻度、オーナー(ビジネス側)からの返信速度など、レビュー周りの指標がローカルパックでの上位化に対して最も一貫した影響をもたらす要素です。

まとめ

  • AIによる検索とMEOの変化

    AI モードの登場により、検索体験は従来の順位競争から「AIがどのように認識・引用するか」に重点が移りつつあります。企業はAIによる自社認知を定期的にチェックし、誤情報や乖離を修正する対応が求められています。

  • GBPカテゴリ戦略の拡張性

    Googleのガイドラインとは異なり、主要カテゴリに加えてニッチなサービスカテゴリを設定することで露出機会が広がる事例が報告されています。AIが正確にビジネスを理解するためにも、詳細かつ網羅的なカテゴリ選定が有効です。

  • レビュー鮮度と継続性の重要性

    レビューは「量」よりも「継続性」と「鮮度」が重視されます。最新レビューの追加によって過去のレビュー効果が再び発揮されるため、競合状況を踏まえつつ継続的に新規レビューを獲得することが理想的です。

  • 業界・地域別のMEO最適化

    Yextの大規模調査でも示された通り、最適なローカルSEO施策は業界や地域によって異なります。レビューや写真、返信速度などの影響度は一様ではなく、業界固有・地域固有のテストと調整が不可欠です。

最後に

Google検索における、 AIの進展によりMEOの戦略は急速に変化しており、日本市場でも新たな対応が求められる局面に入っています。今後も海外の最新動向を注視しながら、最適な施策を柔軟に取り入れていくことが成果に直結するといえるでしょう。

本メディアでは、今後もMEOおよびAI検索の進化に関する最新トピックを継続的に追ってまいります。引き続き情報のキャッチアップにお役立てください。

WRITER

WEB業界歴10年以上。
大学在籍時のイギリス留学経験を活かし現在も海外MEO最新情報に精通している。
500店舗以上のGoogleビジネスプロフイール管理に携わりMEO対策知見に自信を持つ。

海外MEO最新情報:AIが評価する時代のMEO対策

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