• 2026.8.4
  • MEO

海外MEO動向:AIが集め、AIが届ける時代の店舗情報管理

海外MEO動向:AIが集め、AIが届ける時代の店舗情報管理

Googleの本場、米国をはじめ、今、店舗情報を集める経路と、その届け方の両方をAIを軸に組み替えており、自動音声通話やクチコミ、写真、詳細属性といった複数の情報源から集めた内容を、「この場所のヒント」のような案内としてパーソナライズして届け始めています。 こちらでは、SEO(検索エンジン最適化)やローカルSEO(MEO)の動向を早く把握しておきたい方に向けて、海外で先行しているこの流れを、インプットとアウトプットの両面から整理します。

AIによる自動音声通話が、店舗情報を更新している

Googleは自動アシスタントによる架電を通じて、駐車場の有無やピックアップ対応、予約なし来店の可否といった来店に直結する実務情報を店舗に直接確認しており、店舗側がプロフィールへ入力しなくても情報が自動で更新される仕組みが強まっています。

これまで、店舗情報の更新は店舗側からプロフィールへの入力が起点でした。しかし現在米国では、Google側から情報を取りに来る動きが強まっています。米国のSearch Engine Roundtableのバリー・シュワルツ氏は、Googleがビジネスプロフィールを最新に保つため、AIと自動架電の利用を強めていると指摘しています。この自動架電については、Google公式コミュニティでも説明が出されています。

“To help local customers find you, Google may occasionally call your business using an automated assistant to verify everyday details—.”

(地域のお客様に見つけてもらいやすくするため、Googleは自動アシスタントを使ってお店に電話をかけ、日常的な情報を確認する場合があります。)

確認される項目には、駐車場やピックアップ対応といった来店に直結する内容が含まれます。また、発信はGoogleが指定した番号帯からで、店舗側の設定によって停止することも可能です。

これまで、プロフィールの記入以外では獲得できなかった情報をAIが電話をかけ、店舗側との電話でのやり取りから必要な情報を自動アシスタントとの対話を通じて収集する。こういった動きが始まっています。

収集内容が可視化される「Collected Info」

前項の通話で集められた情報をその後、管理する機能について、報告もされています。カナダのMEO専門会社Whitesparkのダレン・ショー氏は、GBPの管理画面において「Collected Info」(日本語ではまだリリースされていないため、日本版名称は確認できていません。)という項目を観測し、LinkedIn上でいち早く報告しております。

この画像には、「お店との電話またはチャットでのやり取りから収集されました」という文言とともに、収集された項目を確認し、必要であれば削除できる操作画面が映っています。

ダレン氏は、この機能により、直近の通話からGoogleが何を収集したかを確認できること、その内容が正しいかを検証できること、個別の項目をGoogle検索とマップから削除できることの3つが可能になると説明しています。

あくまで、2026年7月時点で報告された先行事例であり、本格的な展開はこれからと見られます。とはいえ、収集した情報を店舗側が精査し、必要に応じて調整できる体制づくりが動き始めていると言えます。

クチコミ・写真・詳細属性もAIの読み取り対象に

情報源は電話だけではありません。ヨーロッパに拠点をおいている、MEO会社のGMBapiは、Geminiが店舗周辺のあらゆるデータを横断的に読み取っていると説明しています。

“Gemini reads through the reviews, photo uploads, and Street View imagery for a location and distils them into a short, bulleted card of practical, first-timer tips”

(Geminiはその場所のクチコミ、投稿写真、ストリートビュー画像を読み込み、初めて訪れる人に役立つ実用的なヒントを短い箇条書きカードに要約します。)

クチコミという文字情報だけではなく、ユーザー投稿写真、ストリートビューなど画像情報が同列に扱われている点が特徴です。加えて同社は、駐車場の有無、バリアフリー対応、「犬同伴可」「ヴィーガン対応」といった設備情報を正確に設定することで、GoogleのAIがより確かで整理された土台から情報を引き出せるようになる、とも述べています。

自動架電、クチコミ、写真、詳細属性。それぞれ性質の異なる情報源が組み合わされ、店舗像が構築、また、正確性や最新性が強化されていく形になると見られています。

出口としての「この場所のヒント(Know Before You Go)」

前項までが情報の入口だとすれば、その出口のひとつとして、あたるのが「Know Before You Go」です。日本でも「この場所のヒント」としてすでに実装されています。

Geminiを基盤としたGoogle検索やマップ検索の再構築が進む中、Ask MapsやAIモードのような目立つ機能の陰で、店舗プロフィール上に静かに追加されている機能と位置づけられています。GMBapiはこれを、華やかな新機能に対する「物静かな親戚」と表現しています。

この「この場所のヒント」が提供するのは、評価点やクチコミ件数のような要約された指標ではなく、来店前に知っておくと役立つ実務的な情報です。

“the kind of insider knowledge regulars already know, but new visitors have to learn the hard way.”

(常連はすでに知っていても、初めて訪れる人にとっては苦労する情報です。)

たとえば、入口の位置、裏手の駐車場、現金のみの支払いなどが記事内で取り上げられています。いずれも星の数からは読み取れず、クチコミ本文や写真の中に埋もれていた情報です。これらが店舗プロフィールの閲覧時、上部に表示されることで、初見のお客様が抱える不安の多くは来店前に解消されます。

裏を返せば、そうした情報がプロフィールやクチコミの中に存在しない店舗は、表示される材料を持たないことになります。

同じ店を見ても、見えるものが違う

そして、この機能のユニークな点は、ユーザーごとにパーソナライズされる仕組みになっていることです。GMBapiのチームは、同じ店舗を同じタイミングで開くという検証を行い、メンバー間で実際に見え方が分かれることを確認したうえで、この状況を次のように位置づけています。

“Ten people could stand in a circle looking at the same café on their phones and see ten slightly different layouts, review snippets, or AI-generated summaries.”

(10人が輪になって同じカフェを各自のスマホで見たとしても、レイアウトもクチコミの抜粋もAIによる要約も、10通り少しずつ違って見えることがあり得ます。)

この差が端末にも都市にもWi-Fiにも関係なく、個々のGoogleアカウントに紐づいたものだと結論づけています。つまり、そのアカウントの嗜好や環境に合わせた「この場所のヒント」が提供されるとされています。

アカウント単位でパーソナライズされて機能が切り替わるため、店舗側とお客様側で画面が一致しない状況が常態化します。自分の画面に表示されていないことは、機能が存在しないことを意味しません。特定の画面での見え方を追いかけるより、どのアカウントに機能が届いても対応できるだけの情報量をプロフィールに用意しておく方が、実務としては現実的だと考えられます。

まとめ:管理は続く、しかし手段も増えている

ここまで見てきた通り、店舗情報は自動音声通話、クチコミ、写真、詳細属性といった複数の経路から集められ、「この場所のヒント」のような形で個々のユーザーに合わせて届けられるようになっています。一度プロフィールを整えれば終わり、という運用は成立しにくくなってきました。継続的なクチコミの獲得、詳細属性の維持、そして今後は、Collected Infoの定期的な確認が、必要になっていくと考えられます。

一方で、その管理を担う手段も同時に増えています。以下は、Google公式が6月末に開催した単一店舗向けの説明会の動画です。こちらでは、GBPをGeminiに接続した状態でのデモが公開されました。担当プロダクトマネージャーのマイク・ネイギー氏は、例として自身が扱う魚料理店舗のプロフィールの事例をあげました。

プロフィール上に見落としがないか尋ねたところ、店頭には牡蠣を掲げた大きな看板があったにもかかわらず、カテゴリの一覧を照合したうえで「オイスターバー」のカテゴリが未設定であることを検出したと述べています。設定側において、抜けがあったという例です。さらに、その場で設定を追加するかどうかを提案し、チャット画面上で確定まで完了できたとしています。

カテゴリの設定漏れは、担当者が全項目を把握していなければ気づきにくい類の課題です。また、最新の削除・追加を追い続けなければならない手間もあります。そうした点検がAI側から提示されるようになれば、店舗側の負担は下がる方向になると考えられます。

GBPの運用は、確認すべき対象が増える一方で、確認そのものは軽くなっていく。その両面が同時に進んでいるのが現在の状況だと言えます。

店舗情報は、一度整えれば完了というものではなくなりつつあります。集められる経路が増えた分だけ、正確性を保つための確認箇所も増えました。一方で、Geminiとの連携のように、日々の管理そのものは以前より軽くなる可能性も見えてきています。

当メディアでは、引き続き海外動向を中心に、AI時代に適応するためのMEO・GBP運用の情報や対応策をお届けしていきます。引き続きご注目ください。

今回の記事作成にあたり、主な参考・引用元は以下のとおりです。

WRITER

フリースクエア MEO 編集部

Googleビジネスプロフィールを活用した店舗集客を専門に、MEO対策・口コミ運用・投稿運用・分析改善を担当。累計13,000店舗以上(自社支援実績)の運用データと実務経験をもとに、Googleマップでの検索順位向上や来店数増加につながる施策の企画・検証・運用を行っている。社内にMEO研究会を設立し、Googleの公式情報や最新アップデート、ローカル検索の変化を継続的に調査・検証。その知見をもとに、実践的なMEO・ローカルSEOの情報を発信している。

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