• 2026.6.5
  • MEO

海外MEO動向|AIローカルパックの登場とその影響

海外MEO動向|AIローカルパックの登場とその影響

日々、GoogleのAIによる検索介入が進むなか、これまでMEOで上位を維持していた店舗でさえ電話件数や来客数の落ち込みが世界規模で報告されています。その背景には「AIローカルパック」の台頭と、Googleの検索結果構造そのものの変化があります。AI時代の到来により、これまでの戦略が通用しない局面が増え、新たなアプローチへの転換が求められています。

こちらでは、ローカルSEO(MEO)やGBP運用の海外情報を把握し、対策を考えていきたい方のために、Googleの本土、米国をはじめとした海外における情報をピックアップし、わかりやすく発信しています。

MEOで起きている「見えない下落」

GoogleへのAIの検索介入により、ウェブ検索結果の構造が大きく変わっています。以前はページ上部に広告・ローカルパックやオーガニックリンクが並んでいましたが、現在は「AIによる概要(AI オーバービュー)」が上部に表示され、その後に広告・ローカルパック・オーガニックリンクが続く構成へと移行しています。

(検索ワードによっては、AIによる概要が常にページ上部に表示されるわけではなく「渋谷 美容室」のようなシンプルな検索では従来のローカルパックが上位に出ることもあります。しかし、より詳細・複合的な検索ではAIによる概要が優先されることが増えています。)

この変化が現場にもたらしているのは、Googleマップ上では、問題なく上位化していても実態の集客が落ちているという事実です。上位表示を維持している店舗でさえ前年比で電話数が減少しており、電話ボタンのクリック数は過去2年間で一貫して下落していたという報告があります。

“Everything looks green. Yet, your phone isn’t ringing like it used to. And your GA4 data is showing a lot fewer visitors from your GBPs.”

(すべての指標は良好に見える。しかし電話は以前ほど鳴らなくなり、GA4のデータはGoogleビジネスプロフィール経由での訪問者が大幅に減っていることを示している。)

記事元: ミシェル・ファン・ライテラー氏(GMBapi)

このような「見えない下落」が世界各地で報告されており、弊社が担当する米国以外の国でも同様の傾向が確認されています。その要因と言われているのが、最近新たに騒がれている、AIローカルパックの台頭です。

AIローカルパックとは何か

「AIローカルパック」とは、AIによる概要の中に組み込まれたローカル店舗の表示枠のことを指します。従来のローカルパック(3-pack)が検索結果に独立して表示されていたのに対し、AIによる概要の中に組み込まれて表示される、新たな形式です。(AIローカルパックという名称は、記事元のMEO会社による呼称で公式なものではありません。今後、変更となる可能性があります。)

“A new feature, the AI Local Pack, is quietly replacing the traditional 3-pack and cutting business visibility in some cases by more than half.”

(新機能「AIローカルパック」が静かに従来の3-packに取って代わりつつあり、場合によっては店舗の視認性を半分以上削減している。)

記事元: ジョイ・ホーキンス氏 (Sterling Sky)

上記、左側はこれまでのローカルパック。右側がAIローカルパック。

ローカルパックやマップ検索では上位を獲得できていても、ローカルパック自体の表示位置が下落することで、閲覧ユーザー数や反応数が下落する。こちらが一つの下落要因と言われています。しかし、それだけではありません。

コンバージョンを下げるUI変化

AIローカルパックの導入に伴い、ユーザーが実際の行動(電話・来店)を起こしにくい構造へと変化しています。まず、AIローカルパック内に表示される店舗数がこれまでのローカルパックに比べて、大幅に絞られていることが確認されています。

“AI local packs are surfacing only 32% as many unique businesses as traditional Local Map packs.”

(AIローカルパックが表示する店舗数は、従来のローカルマップパックのわずか32%にすぎない。)

記事元: 同上

さらに、直接的なコンタクトにつながる電話ボタンも、多くのケースで非表示となっています。

“Many versions of the AI Local pack remove the ‘click-to-call’ button entirely. This is particularly impactful for mobile searches.”

(AIローカルパックの多くのバージョンでは、電話ボタンが完全に削除されている。これはモバイル検索において特に大きな影響をもたらす。)

記事元: 同上

そして、この変化はAIローカルパックに限りません。以下の画像に示すように、従来のローカルパックにおいても「共有」「保存」「電話」などのアクションボタンが折り畳まれ、「+」ボタンをクリックして初めて表示される形へのテストが進んでいます。

ユーザーが直接行動を起こせない、もしくは、起こすまでのステップが段階的に増えており、コンバージョン率の低下につながっています。

従来のMEO戦略が通用しなくなる理由

MEO・SEO戦略は、ローカルビジネスがオンラインでの可視性を高めるための重要な手法でした。しかしAIローカルパックに選出される店舗は、従来のオーガニック3-packに表示される店舗と必ずしも一致せず、これまでの順位管理だけでは実態を把握しきれなくなっています。

“Most tracking software can’t see AI Local Packs yet, so you look ‘fine’ on paper while your traffic vanishes.”

(多くのトラッキングソフトウェアはまだAIローカルパックを認識できていない。そのため数値上は「問題なし」に見えながら、実際のトラフィックは消えていく。)

記事元: 同上

そして、従来の「順位を上げる」という発想そのものが問われています。

“Local SEO is no longer just about ‘where you rank’; it’s about where you are allowed to appear, and what exactly is appearing.”

(ローカルSEOはもはや「どこに順位表示されるか」だけの問題ではない。どこに表示が許されるか、そして何が表示されるか、という問題になっている。)

記事元: 同上

AIがどのように情報を取捨選択するかを理解した上で、ユーザーエンゲージメントの強化・レビュー管理・SNSなど、デジタルプレゼンスの構築が新たな戦略の柱となります。

そして残念なことに、その中でも、広告活用の重要性が一段と高まっていることが、検索状況の実体からうかがえます。

広告活用が鍵となる時代へ

AIローカルパックや従来のローカルパックでの集客効果を維持するためには、有料広告の活用がますます重要になっています。オーガニックリスティングが電話ボタンや上位掲載枠を失いつつある一方、広告枠ではこれらの機能が依然として維持されており、広告経由のROIが相対的に高まっていることが報告されています。

“Google’s relentless drive for more advertising income means it is replacing organic views in the local pack with Google Ads-powered placements… This clearly signals a move toward a pay-to-play model.”

(Googleが広告収入を増やし続けようとする姿勢は、ローカルパックのオーガニック表示をGoogle広告掲載へ置き換えることを意味する。これは明らかにペイ・トゥ・プレイモデルへの移行を示している。)

記事元: 同上

この動きは数字にも表れています。

“Local pack ads were only visible on 1% of the reports… Fast forward to December 2025, and now almost 22% of our reports are showing them.”

(以前はレポートの1%にしかローカルパック広告が表示されていなかった。しかし2025年12月時点では、約22%のレポートに広告が表示されるようになっている。)

記事元: ジョイ・ホーキンス氏 (Sterling Sky)

これらの急速な変化から、GoogleはAIにおいてもローカルパックにおいても、集客につなげるにはお金を払う仕組みへ歩みを進めていると、一部の専門家は分析しています。

まとめ:今後を見据えたMEO戦略の再構築

AI技術の進化は、検索エンジンの結果表示とユーザーインターフェースに大きな変化をもたらし、これまでのMEO戦略だけでは対応しきれない課題を生み出しています。

“The businesses that adapt to this new reality with aggressive diversification will thrive; the rest will wonder why the phone stopped ringing.”

(この新しい現実に積極的に適応した事業者は栄えていくだろう。取り残された者は、なぜ電話が鳴らなくなったのかと首をかしげることになる。)

記事元: 同上

これまでの順位対策に頼るだけでは対応できない時代に入っています。AIの選択メカニズムを理解し、広告・レビュー管理・デジタルプレゼンスを組み合わせた多角的な戦略を構築することが、これからのMEOの基盤となります。今はその節目として、有料広告を少額からテストするタイミングに来ているのかもしれません。

広告以外のAIを含めたMEOの対策については以下の記事で詳しく記しております。

検索シーンにおいて強力なシェアを誇るGoogleは、AI導入を加速させることでその存在感をさらに強めています。この市場支配力を背景に、Googleはオーガニック(無料)枠の露出や機能を制限する一方で、広告枠の利便性を維持し、店舗側に有料施策を促す「Pay-to-Play(支払わなければ参加できない)」モデルへの移行によって収益性を高めているかのようにみられているのが現状です。

しかし、検索市場の未来がGoogle一強で固定されているわけではありません。ChatGPTなど、競合となるAIアプリケーションが急速に普及し始めており、ユーザーが情報を探す手段は多極化しつつあります。Googleが今後どのような舵取りを行うのか、そして新たなAI勢力が市場をどう変容させるのか、その先行きは依然として不透明です。

当メディアでは、引き続き海外動向を中心に、AI時代に適応するためのMEO・GBP運用の情報や対応策をお届けしていきます。目まぐるしく変わる検索シーンの「今」を捉え、次なる一手を見出すための情報源として、引き続きご注目ください。

WRITER

WEB業界歴10年以上。
大学在籍時のイギリス留学経験を活かし現在も海外MEO最新情報に精通している。
500店舗以上のGoogleビジネスプロフイール管理に携わりMEO対策知見に自信を持つ。

海外MEO動向|AIローカルパックの登場とその影響

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