• 2025.6.19
  • MEO

海外MEO最新動向|AI時代のGoogleビジネスプロフィール(GBP)戦略

海外MEO最新動向|AI時代のGoogleビジネスプロフィール(GBP)戦略
「Googleマイビジネス」の名称は「Googleビジネスプロフィール」に変更になっています。※記事では認知度の関係から「Googleマイビジネス」の表現を残しているものがあります。

こちらでは、最新のMEO動向を知るための、Googleの本土(米国)をはじめとした海外のMEO情報を発信しています。

Googleは5月20日・21日に毎年恒例のカンファレンス「Google I/O 2025」を開催し、その中でAI検索に関するビジョンやAI活用の今後の展望について発表しました。

中でもMEOに関連する項目として、特に注目されたのが、AIによる検索インターフェース「AI Overview(AI オーバービュー)」の強化です。
この発表から明らかになったのは、従来の「クリックして調べる」検索から、ユーザーの過去の行動や文脈に応じた答えを即座に得る新時代の検索へ進化しつつあること。それに伴い、Googleビジネスプロフィール(GBP)の情報発信方法も大きく変わり始めているということです。

本記事では、「Google I/O 2025」の内容をまとめて解説している、マイク・ホークス氏が執筆した以下の記事から、重要な項目を4つにまとめ、AI時代におけるMEOの再構築に必要な戦略と具体的な対応策をわかりやすくご紹介します。
brightlocal

1. クリックされない検索結果でも“選ばれる”には?

“Clicks will likely go down.”
(クリック数は減少を見込まれる。)

ホークス氏は自身の記事でこのようにまとめております。
また、ミリアム・エリス氏も以下のサイトの中で、ローカルパックとAIオーバービューの表示比較の統計をとった上でその台頭を認め

“ AI Overviews suck up CTR like the Typhoonigator.”
(まるで台風のようにAIがCTR(クリック率)を吸い上げる)

と語っています。

Googleもカンファレンス内で、AIオーバービューは世界中のどの生成AIプロダクトよりも多くの人に提供されていると述べ、その普及スピードの速さを強調しました。
日本においても最近は、以下のように検索結果の上部にAIオーバービューが占めることが多くなったと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

こちらはローカル検索(「渋谷+レストラン」といった実店舗の検索)ではありませんが、米国では、条件次第でローカル検索でもAIオーバービューの表示がされていることが認められています。

これまでは、ユーザーの検索意図は検索語句のみでしか結果を出せず、ユーザーはその中からサイトを巡回し、求めている情報を探るという検索行動でした。

しかし、 AIオーバービューが検索結果の上部を占めるようになると、ユーザーは一目で検索ニーズに合った情報を把握できるようになり、サイト訪問や情報を深掘りする機会が減少。結果として、ユーザーのCTR(クリック率)が減少していくと筆者は書いています。
これまでのMEO対策の方向性とは異なり、ローカルパックの提示自体が減少し、順位の影響力も低下する可能性があります。しかし、これは必ずしもネガティブなニュースではないと続けています。
今後の分岐点は、“どのようにAIに自店の情報を理解させるか
AIが理解しやすい、正確かつ構造化された情報提供こそが可視性の鍵を握っています。

2. 多様なニーズへの対応力=詳細情報の質と鮮度

現時点のGBPでは、飲食店の場合、以下のような詳細属性を登録できます。

  • サービス内容(ハッピーアワー/ドリンクの種類)
  • 食事制限対応(ビーガン、アレルギー対応)
  • バリアフリー対応
  • ペット同伴可など

一見、細かく、大きな影響力を持たないように見えますが、こういった詳細な店舗情報こそ今後のAI検索において重要な要素となると予想されます。

“If Google knows about an allergy, it can give tailored suggestions for places to eat based on the menus in Google Business Profiles.”
(Googleがアレルギーを把握していると、GBPのメニューからオーダーメイドの食事場所を提案できる。)

これらは単なるオプションではなく、検索されるための前提条件となりつつあります。各店舗の特徴を細分化し、AIがユーザーニーズに合った情報を選んで提示できるように整備することが重要です。特に意識的にこういった取り組みを行っている店舗は、定期的に見直し・更新を行い、常に最新情報を提供する意識が求められるでしょう。
また、インバウンド集客を目指す店舗では、特に訪日外国人の使用頻度が高いGoogleの対策は必須です。外国の方が求める傾向にある、ハラール対応やヴィーガン対応など、訪日外国人にとって重要な属性を細かく設定した方が良いでしょう。

3. 小規模専門店にも勝機あり

これまでMEO対策に多くのリソースを割ける大規模店舗が有利でしたが、AIオーバービューの台頭により、検索結果がユーザーごとにカスタマイズされ、小規模専門店にも露出のチャンスが生まれていることが示唆されています。
従来は大カテゴリごとに競合がリストアップされ、順位ではメジャーなニーズに応える店舗が優位に立つことが多く、逆に、特徴的な魅力を持っている店舗もこれまでのGoogleの枠組みの中では、その魅力が認知されずに、ユーザーとのマッチングには障壁がありました。

しかし、AIが仲介することで、ユーザーニーズの細分化が進み、各店舗の多様な特性がピックアップされる可能性が高くなると考えられます。
ホークス氏の記事でも次のように指摘しています。

“It could exclude certain shops from their list, while including them more regularly for others.”
( 特定の店舗をリストから除外することもあるし、ユーザーによっては他の店舗をリストに加えることもある。)

ここで重要なのは、各店舗の特性をしっかりと言語化・構造化することです。多様な魅力を言葉に落とし込み、AIにもユーザーにも伝わる情報を提供することです。

4. 情報チャネルの選定と管理体制の構築

“Your brand and reputation is more important than ever.”
(これまで以上に、ブランドと評判が重要になってきている。)

AIはウェブ上のあらゆる情報を統合して判断します。そのため、GBP以外の複数チャネルを意識的に活用する必要があるとホークス氏は主張しています。

  • SNS(Instagram、Xなど)で日常の魅力を発信
  • 口コミサイト(食べログ、Googleレビュー)で評価を蓄積
  • 自社ウェブサイトで専門性を詳しく説明

インバウンドを狙った店舗は、英語など多言語でのGBP管理やTripadvisorなど旅行者向けサイトの強化も必要となってくるでしょう。リアルタイムで更新される正確な情報こそ、信頼の源となります。

要点まとめ:今すぐできる5つのアクション

  1. GBPの詳細情報を充実させ、常に最新に保つ
  2. 専門性や独自性を言語化し、AIに伝わる構造化表現を用いる
  3. SNS・口コミ・イベントなど外部チャネルを戦略的に活用する
  4. チーム内で定期的な情報更新体制を整える
  5. インバウンド集客の店舗は英語など多言語での情報発信を視野に入れる

次の一手は?

自店舗の「棚卸し」から始めましょう。
今後、多様な情報がAIに取り込まれる時代に備え、店舗の強み・特性を改めて洗い出すこと。そして、それを経営方針や運営方針に反映させることが差別化の鍵です。
そのうえで、最新の検索アルゴリズムやAIとユーザーの検索意図にそったGBPや情報発信を最適化していくことが求められます。

最後に

GoogleのAIオーバービューへの注力は今回の発表でも明確ですが、まだ導入して間もないことも影響し、直近の動向のなかでも変更が多く見られます。
そのため、今回の内容は今後変更される余地があり、引き続き最新情報をキャッチアップしていく必要があります。
こちらでは、これからも海外MEO動向をいち早くキャッチし、最新情報をお届けしてまいります。

WRITER

WEB業界歴10年以上。
大学在籍時のイギリス留学経験を活かし現在も海外MEO最新情報に精通している。
500店舗以上のGoogleビジネスプロフイール管理に携わりMEO対策知見に自信を持つ。

海外MEO最新動向|AI時代のGoogleビジネスプロフィール(GBP)戦略

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