• 2025.8.8
  • MEO

海外最新動向|AI検索時代におけるGoogleビジネスプロフィールの重要性

海外最新動向|AI検索時代におけるGoogleビジネスプロフィールの重要性
「Googleマイビジネス」の名称は「Googleビジネスプロフィール」に変更になっています。※記事では認知度の関係から「Googleマイビジネス」の表現を残しているものがあります。

こちらでは、いち早くMEOやSEOの情報を把握し、対策を考えていきたい方々のために、Googleの本土、米国をはじめとした海外の最新情報をピックアップし、わかりやすく発信しています。

今年、25年5月以降、米国内ではGoogleのAI Modeなどのリリースから、AIが伴走する形になり、検索体験が大きく進化しました。以前の記事ではその機能のひとつである、AI Modeの説明とSEOへの影響を解説しました。

本記事では、GoogleのAIモデルとビジネスプロフィールの関係性、新機能「AI発信コール」や「”Ask”ボタンの配置テスト」など、MEOの側面において、注目すべき最新動向を整理し、これからの変化について解説していきます。

GoogleのAIモデルとビジネスプロフィールの関係性

GoogleのAIモデルとは?

GoogleのAIモデルとは、検索時にユーザーの意図をより深く理解し、関連性の高い情報を迅速に提示する仕組みです。

Geminiを基盤に構築されており、日本ではすでに「AIオーバービュー」が導入されています。米国やインドでは「AI Mode」を展開中。今後は日本への導入も期待されています。 これらは、ユーザーの検索意図をAIが深く理解し、対話形式で検索結果を提示する、いわばGoogle版Chat-GPTともいえる存在です。そこにGoogleが特徴とする、多角的かつ迅速で膨大な情報提示を実現することができるのが、ほかのAIツールとは異なると報告されています。

AI Modeについての詳しい解説はこちらをご覧ください。

GoogleのAIモデルとビジネスプロフィールの関係

AI Modeでは以下の画像のように、Googleビジネスプロフィールの情報を検索結果の一部として表示することがあります。

こちらは、本土にてAI Modeを使用し「金曜日の接待で使いたい鮨屋」と検索した結果です。

通常の検索時に表示される、ビジネスプロフィールに似ている印象を受けますが、これまでと違うのが、ユーザー属性やニーズを把握した上での結果表示となる点です。 これまでは、Googleのアルゴリズムによって一般的な検索結果を示していましたが、AIモデルではユーザー専用の検索結果になります。 つまり、予算や嗜好性などをこれまでの履歴から把握し、ニーズにより近いものを表示します。

ただし、AIモデルによる情報の選択についてはこのように言っています。

“Google’s own AI models heavily favor Google Business Profile listings.”

(Google 自社の AI モデルは、Google ビジネス プロフィールの掲載情報を強く優先している。)

記事元:ケイト・ハーバート・スミス氏(BrightLocal社)

GoogleのAIは、正確性と構造化データを重視する傾向が強く、Googleビジネスプロフィールを自社HPなどに加えて「最も信頼できる一次情報源のひとつ」として扱います。逆に言えば、ビジネスプロフィール未登録の事業は、AI生成の検索結果に表示されづらくなるリスクがあります。

検索結果の表示手法は異なりますが、GoogleビジネスプロフィールはAIモデルにとって、重要な存在になってくるといえます。

MEOの重要性が再浮上

では、AIモデルとGoogleビジネスプロフィールの重要性に対してどのような対策ができるのでしょうか?

AIでも基本施策が評価基準に

“Because the AI selects businesses using standard local search rankings, maintaining strong local SEO becomes even more important.”

(AI が従来のローカル検索ランキングに基づいて事業者を選定するため、ローカルSEO(MEO)を強化しておくことがこれまで以上に重要になる。)

記事元:マット・G・サザン氏(Search Engine Journal社)

従来のローカル検索(ローカルパック、マップ表示など)で重視される指標—レビュー数、NAPの一貫性、キーワード適合度—は、AIにもそのまま評価軸として受け継がれているということになります。

つまり、既存のMEO対策が今後のAI介入においても機能し続けるということです。

実践すべき対策一覧

  • ビジネスプロフィールの完全登録と継続更新
  • NAP(Name, Address, Phone)の統一チェック
  • キーワードリサーチとコンテンツ最適化
  • 口コミの促進と返信対応の強化
  • 定期的なローカルランクのモニタリング

これらの地道な取り組みが、AI時代におけるローカル検索の競争力につながります。中でも、プロフィールの完全登録においては、AIによるユーザーニーズの細分化に伴い更なる重要性を持つことになると考えられています。詳しくはこちらを参照ください。

また、AIモデルの検索はローカル検索のみならず、網羅的に利用されると考えられているため、ビジネスプロフィールの充実は、MEOのみならずSEOやAI時代の検索においても重要になり、これまで以上に、重要になってくる可能性が浮上しています。

AI発信コール機能の登場

ここからは米国で報告されているAI機能の実例を紹介いたします。

AIによる自動通話が可能に

“Search can now call businesses to get pricing and availability information on your behalf — without you needing to pick up the phone.”

(あなたの代わりに企業に連絡し、価格や在庫状況の情報を取得できるようになりました。電話をかける必要はありません。)

情報元:ロビー・スタイン氏(Google公式)

こちらは、現在米国で実装されている、AI発信コールという新機能です。こちらは、現在、米国在住者であれば、だれでも使用することが可能になっています。(容量制限はあります。)

(Google公式)

上記のリンクに動作のプレビューがありますので、こちらをご覧ください。イヌのトリミングサービスを希望するユーザーが犬種や希望時間、エリアなど提示される質問に簡単に返答するだけで、料金情報を取得しているのがわかります。

詳細や希望する条件などを簡潔に答えるだけで、AIがユーザーのリクエストを文章化し、自動通話で事業者に問い合わせ、音声認識で空席や商品の在庫、予約状況の確認などの情報を取得する機能です。

これにより、ビジネスプロフィールやホームページなどネット上では把握しきれない情報でさえ、ユーザーが直接問い合わせ確認する手間がなくなり、利便性が格段に向上します。

また、自動通話に限らず、英語圏版LINEであるWhatsAppというアプリがメインで使用されている国では、そちらによる問い合わせの設定もすでに実装されており、様々なチャネルから事業者とユーザーのコミュニケーションの窓口が設けられています。

一方で、事業者側には新たな対応負荷が生じる点にも注意が必要です。

事業者側のリスクと対応

ユーザーがAIを経由して気軽に電話での問い合わせることが可能になるということは、予期せぬAIコールが増加し、応答対応の負荷が高まります。この機能の拡大に伴い、業務フローと有人/自動応答システムの準備が必要になることが予想されています。

形式として、AIコールのオン/オフ管理については、プロフィール内でいつでも切り替えることが可能という設定にはなっています。

“businesses are always in control via their Business Profile settings.”

(事業者はビジネスプロフィールの設定を通じて常に管理することができる。)

情報元:同上

しかし、集客の可能性やGoogle認知の向上を考えると、極力活用していくことが望ましいと考えられます。

事業者としては電話対応や切り替えの手間が増えることになりますが、自動電話対応といった手法も視野に入れた上、積極的に活用することが望ましいといえます。

”Ask”ボタン配置テスト

さらに、こちらは本土でもまだ実装段階ではなく、一部ユーザーからの報告事例です。

“Google is testing moving the ‘Ask’ button to one of the main buttons on some Google local listings.”

(Google は、一部のローカルリスティングで ”Ask”ボタンを主要ボタンの一つとして配置するテストを行っています。)

情報元:バリー・シュワルツ氏(Search Engine Roundtable)

これまでは「経路」「電話」「メニュー」「クチコミ」などのボタンが設置されていたところへ、新たに、”Ask”(問い合わせ)ボタンが、現れたという報告です。

この”Ask”ボタンは、Googleビジネスプロフィールから「この場所についてマップに質問する(ask maps about this place)」機能にリンクしていることが報告されています。これは、GoogleのQ&A機能のAIによる代替である「Ask Maps」と関連があると考えられています。

ロゴの形状もGeminiと同様のため、AIモデルによる返答機能であることが予想されます。

まだ実装段階ではありませんが、一部ユーザーでA/Bテストを実施後、リリースという流れはこれまでにも見られているため、今後実装される可能性はあります。また、実装がなかったとしても、Googleが検索におけるユーザーによるAI使用を拡大していこうという方向性は、今回のAI発信コール機能の導入やこの「Ask」ボタンのテストといった動きからも垣間見ることができます。

まとめ

  1. GoogleのAIはビジネスプロフィールの情報を優先するため、完全最適化は必須
  2. AIによる情報選定は従来の測定手法をベースに行われるため、MEOの基本をおろそかにしない
  3. AI発信コール機能の実装や”Ask”ボタンのトライアルなど、新たな問い合わせチャネルが登場し、AI介在のユーザー接点が拡大

本記事では、GoogleのAIモデルとビジネスプロフィールの関係性から、MEO施策の再評価、さらに実装が進むAIコール機能や”Ask”ボタンといった新たな動向までを紹介しました。ここから読み取れるのは、検索におけるAIの介入が加速度的に進んでおり、それにともなってローカルビジネスの情報発信や対応の在り方も変化を迫られているという事実です。 とくに重要なのは、Googleビジネスプロフィールを基盤としたMEO施策が、AI時代においても引き続き評価基準として活用されているという点です。今後は、「AIに選ばれる」情報設計とコミュニケーション動線の整備が、集客力を左右する大きな要因となるでしょう。

また、米国ではすでに導入が始まっているAIコールや”Ask”ボタンといった機能は、ユーザーの利便性を大幅に高める一方で、事業者側には新たな運用負荷も生じます。これらの動向は、いずれ日本でも本格展開される可能性があり、先んじて理解し準備しておくことが差別化につながります。

今後もGoogle検索とAIの融合は進化を続け、私たちのビジネス運営にも直結していくでしょう。そのため、引き続き、柔軟かつ実践的に対応していくことが求められています。

本メディアでは、今後もMEOおよびAI検索の進化に関する最新トピックを継続的に追ってまいります。引き続き情報のキャッチアップにお役立てください。

WRITER

WEB業界歴10年以上。
大学在籍時のイギリス留学経験を活かし現在も海外MEO最新情報に精通している。
500店舗以上のGoogleビジネスプロフイール管理に携わりMEO対策知見に自信を持つ。

海外最新動向|AI検索時代におけるGoogleビジネスプロフィールの重要性

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