- 2025.7.25
- SEO
海外最新動向|GoogleにAI本格統合!AI Mode最新解説

こちらでは、Googleの本土(米国)をはじめとする海外の最新動向報をお届けします。
本記事では、今年25年5月の米国リリースを皮切りに、急速に普及しているAI Modeについて、説明します。
そもそもまだ日本ではリリースされていない、AI Modeとは何か?といったところから、具体的な実用例も踏まえて説明します。さらに、SEO側面においても、現地のスペシャリスト達がどのように考えているかを、記事の文面をピックアップしながら、この先の展望も深彫りしていきます。
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目次
1. AI Modeとは
従来検索から“答えの即時提供”へ
これまでAIの参入までは、ユーザーは検索語句を入力し、googleが結果として表示するリンクを巡回し、求めている情報にたどり着くといった検索体験をしてきました。 そこにAIが参入し、あらかじめ細分化されたユーザーニーズに応えた情報提供ができるようになったのはchat GPTやPerplexityを使用されていれば体感できていると思います。
Google AI Modeの一つの側面はそのAI検索をGoogleが実装できるようになったことといえます。
“AI Mode is Google’s new search feature that intends to provide direct answers to search queries, blending AI-generated responses with summarized and linked content from the internet.”
(AI Modeは、検索クエリに対して直接的な回答を提供し、AIが生成した回答とインターネットから要約・リンクされたコンテンツを統合するGoogleの新しい検索機能です。)
実験開始からわずか2か月で米国中のユーザーが次々と利用を開始し、その規模は飛躍的に拡大すると見られます。
これまでの米国やインドでのリリースを時系列で追うと以下のようになっています。
- 2025年5月1日:米国Labsユーザー向けに全開放
- 2025年5月20日以降:米国内全ユーザー対象に拡大
- 2025年6月24日:インド市場向けLabs実験(英語対応)
日本ではいつAI Modeが使えるようになるかは、現時点で公式な日本語展開の予定が明言されていませんが、米国・インドでの力の入れ具合や普及速度を考えると、そう遠くない未来、日本で使われていることは容易に想像できます。
AI Modeの検索体験
では、AI Modeとはどういった機能でしょうか?

対象国でGoogleを開くと、上記画像の検索バーの右側にAI Modeというボタンが動き付きで出現し、触れやすくなっています。
使い方は通常の検索とほぼ変わらず、たとえば、「Sushi」と入力しAI Modeのボタンをクリック。もしくはエンターを押し、検索を行います。その後、以下画像の上部項目にAI ModeというタブがあるのでそちらをクリックするとAIModeに移ることができます。 モバイルではGoogleアプリで、ホーム画面のAI Modeをタップして利用ができます。 こちらのキーワードを入力すると、瞬時に100件程のリンクから情報をピックアップ、AIによる要約処理が行われ、結果として、概要から歴史、材料、種類や鮨屋での楽しみ方まで幅広く結果が表示されます。また、その情報源となるリンクは右側に一覧で表示され、アクセスしやすい構造になっています。

実店舗の情報はこの時は、通常検索時に表示済みのため、表示されませんでしたが、「金曜日の接待で使いたい鮨屋」というようにAI Mode検索を行うと、おすすめの理由とともに実店舗情報や位置情報がAI modeによって以下のように表示されます。

また、下部にはchat GPTなどと同様に、チャット形式でよりニーズを深める検索を行うことができます。まずは短いフレーズで検索を行い、AI modeにより提示された結果から自身のニーズを深ぼっていくという検索手法を通して、これまで以上に求めている結果に迅速にそして正確にたどり着くことができます。
このように、ユーザーがAI Modeを使用すれば、求めている情報は即時に取得することが可能になり、さらに深彫りした検索にも、対話形式での検索が可能なため「何を知りたいか」に集中することができます。
そのほか、多岐にわたるAI Modeの機能
また、高次元での検索機能として「Deep Search」機能も実装しています。
” Deep Search can issue hundreds of searches, reason across disparate pieces of information, and create an expert-level fully-cited report in just minutes,”
( Deep Searchは、何百もの検索を行い、異なる情報を総合的に判断し、専門家レベルの完全引用レポートをわずか数分で作成できる。)
こちらでは、検索の中に、ニーズの背景に合わせた条件づけや専門性を含ませ、長文化もしくは対話形式で深化させることで、専門分野のレポートの作成ができるレベルの出力も可能になります。利用シーンとしては、ビジネスリサーチ、企業情報の収集、学術情報の要約、複雑な法的・医療的問いへの多角的アプローチなどへの可能性が考えられています。
そのほか、テキストだけでなく、音声や画像によるクエリも自在に解釈できるマルチモーダル入力への対応や、チャートやグラフでの出力も可能です。動画撮影のライブ機能を使用したAIとのやり取り、予約やチケット購入など旅行をアシストするエージェント機能なども発表されています。
これまでのAI Modeの機能をまとめると以下の通りです。
AI Modeの先進機能(未実装含む)
- Deep Search:専門レポートレベルの結果出力
- Search Live:カメラを使ったリアルタイム検索
- Agent Capabilities:予約などのエージェント機能
- チャート・グラフ生成:視覚化された出力
- マルチモーダル入力:音声画像のクエリ対応
しかし、ここまでの内容ではすでにAI検索として利用されているChat GPTやPerplexityなどに比べて、主観レベルではありますが、突出している印象はうけません。
次項では、そういった別のAIアプリケーションとは違うGoogleだからこその機能を紹介していきます。
2. Google AI modeと他のAIの違い
こちらでは、Chat GPTなどほかのAIツールとは違い、AI modeだからこそできることを紹介していきます。
内部機能の違い(Gemini 2.5のパワーとクエリ・ファンアウト手法)
AI Modeを支えるのは、Google最新の大規模言語モデル「Gemini 2.5」のカスタム版です。
“we’re bringing a custom version of Gemini 2.5, our most intelligent model, into Search for both AI Mode and AI Overviews in the U.S.”
(私たちの最もインテリジェントなモデルであるGemini 2.5のカスタムバージョンを、米国におけるAIモードとAI概要の両方の検索に導入します。)
また、検索手法も“クエリ・ファンアウト”と呼ばれる独特の手法をとっています。
“AI Mode uses a ‘query fan-out’ technique, breaking down questions into subtopics and simultaneously issuing a multitude of queries on the user’s behalf to dive deeper into the web.”
(AI Modeは“クエリ・ファンアウト”技術を用い、質問を複数のサブテーマに分解した上で同時並行的に多様な検索クエリを実行し、ウェブを深く探査します。)
記事元:同上
ほかのAIツールとの違いとして大きな要素の1つは、情報リソースの最新性と量にあります。最大の検索エンジンとして利用されているGoogleが抱えるリンクは膨大で、更新頻度の高い、一次情報を直接参照することができるため、ほかのAIよりも表示結果のリアルタイム性と信頼性・正確性が優れていると考えられています。
また、その情報を大規模並列検索するクエリファンアウトという手法も情報の網羅性・正確性を担保します。ひとつの問いに対して、数十・数百の細かなサブクエリ(検索意図)に分解し、それらを同時実行することで、単に深掘りするだけでなく、ハルシネーションの少ない、多角的に見落としなく幅広い視点を収集できると発表しています。
パーソナライズ体験とGoogleアプリ連携
さらに、もう一つのAI Modeと他のAIツールとの違いとして大きな要因とされているのが、独自のアプリケーションの幅広さです。
“AI Mode offers personalized suggestions based on past searches and can optionally connect to other Google apps, starting with Gmail…”
(AI Modeは、過去の検索履歴に基づくパーソナライズ提案を提供し、Gmailなどの他のGoogleアプリと接続して個人の文脈を組み込むことも可能です。)
記事元:同上
Gmailをはじめ、Googleによるアプリケーションは多数かつ幅広くあります。Gmailでのメールのやり取りなどアプリケーションや検索結果のデータベースをもとにユーザーの特徴や嗜好などがパ-ソナライズされ、ニーズの深堀りを行うことで、より一層、検索結果がユーザーに沿ったものになり、検索体験の向上が見込まれます。 例えば、Gmailでのやり取りやこれまでの検索結果において、職業や選ぶレストランの価格帯、ベジタリアンなどの嗜好性がAI Modeによって認知され、次回の検索の際には、そういった条件に沿った検索結果が示されるといった形です。
逆に心配になってくるのがプライバシーの観点で安心なのか?ということですが、 Googleはプライバシー設定をユーザーに委ねており(パーソナルコンテキスト)、アプリ連携や記憶蓄積の範囲も制御可能です。とはいえ、恩恵を最大化するには、ある程度の情報共有が前提となります。
”This is always under your control, and you can choose to connect or disconnect it at any time.”
(これは常にコントロール下にあり、いつでも接続または切断を選択できます。)
記事元:同上
Googleだからこその、情報の量・鮮度、それを利用した正確性とユーザーに合わせたパーソナライズのダイナミックさがほかのAIツールではなくGoogle AI Modeの大きな違いといえるでしょう。
ユーザーニーズやパーソナライズに合わせ、最新の情報を提示することや、アプリケーションの対応により、Google検索は単なる情報取得を超えた「行動支援ツール」へと昇華しつつあります。
3. SEOへの影響と展望
この項目では上記のAI Modeの潮流や新機能の実装により、検索やSEO・MEOへの影響について考えられることとして本国で発信されている情報を紹介します。
クリック率の変化という現実
“AI Overviews led to a 35% lower average click-through rates for top-ranking pages on search engine results pages.”
(AI Overviewsは、上位表示ページのクリックスルー率を35%低下させた。)
AI Modeに先だって実装されたAI Overviewsの公開においても、これだけサイト閲覧へのユーザー遷移が減少しています。この事実は、SEOにおける「表示=クリック獲得」という前提が崩れつつあることを示唆しています。また、それ以上に露出が高く、アクセスしやすい形で設置されているAI Modeでは、さらなるユーザーのAIシフトが見込まれております。
薄いコンテンツの淘汰
上述した、上位コンテンツの閲覧ユーザー数の減少もありますが、情報の薄いコンテンツは存在すら危うくなってくる見込みです。
“Thin content will not survive the AI and LLM evolution…”
(薄いコンテンツはAIやLLMの進化に耐えられず、検索取得に適した構造で設計する必要があります。)
これは単に、文字数やページ数の薄さの情報量のみを言っているわけではなく、これまでのSEOにおいて、インデックスをすり抜けてきた、単一のキーワードに焦点を当てたようなページも含まれています。
結果表示の過程で、AIによる要約が存在することで、その内容が希薄なページは淘汰されていくことになるでしょう。
AI時代へのシフト
“This isn’t traditional SEO. This is Relevance Engineering (r17g). “
(これは従来のSEOではない。これは関連性エンジニアリング(r17g)である。)
この筆者は関連性エンジニアリングという単語を使用していますが、こちらは、新しいAI時代のSEOのような仕組みを意味しています。しかしながら、こちらに関して、現在、AIOなど、様々な名称や定義が出現しており、まだ確立された状態ではないため、語句自体はあまり重要ではありません。
しかし名称はどうであれ、従来のSEOは次第にAIに沿ったものにシフトチェンジしていくことは間違いないと言っても過言ではないでしょう。
AI時代にむけた6つの対策ポイント
“How To Adjust Your Content Strategy for Google’s AI Mode”
(GoogleのAIモードに対応するコンテンツ戦略の調整方法)
情報元:ジョン・イウォゾル氏 (MOZ)
また、今後の6つの対策ポイントも上の記事にて、触れられています。
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検索意図全体の網羅
メインキーワードだけでなく、製品レビュー、選択基準、ブランド比較、耐久性、ユーザー固有の課題など、幅広い関連クエリ(検索ニーズ)に対応する必要があり、なおかつ、それらの情報に不一致がない正確な情報を設置します。
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AI認知のためのコンテンツ構造
GoogleのAIシステムがコンテンツを評価する際、品質を評価し、要約や回答のために特定の部分を抽出できるかどうかをチェックします。
そのため、AIモードはコンテンツを文章レベルで処理し、要素化された一連の箇所を抜き出して回答を構築します。つまり、わかりやすさ、構造、要素化設計(モジュール設計)が重要になります。 -
一次情報源となる
オリジナルな調査、業界ベンチマーク、独自のフレームワーク、調査、意見記事など、新しい情報を提供するコンテンツが引用されやすくなります。まとめサイトのような二次的な情報ではなく、そこでしか得られないような、独自性・最新性の情報を発信します。
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マルチモーダルな消費を念頭に置く
テキストだけでなく、画像、動画、音声を含むコンテンツ戦略が不可欠になってきます。独自性・情報の密度を向上させるため、様々なコンテンツを設置します。
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直接的なオーディエンス関係の促進
検索トラフィックに依存しないよう、自社チャネル(メールリスト、コミュニティ、ポッドキャストなど)を通じてオーディエンスと直接的な関係を築くことが重要です。ユーザーからのフィードバックや外部サイテーションなどが大きな効果を持ちます。
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AIによる引用と検証のための最適化
引用されるには、コンテンツが明確で、外部・内部で構造化されたエビデンスを含み、ドメインレベルの信頼性を持つ、実在性の強化が必要です。
上記ポイントから実装として求められるのは以下が挙げられています。
- 各セクションが独立して意味を持つ構成
- 見出し、リスト、表など視認性とスキャン性を意識したレイアウト
- 読者の検索意図に即したFAQ型の情報設計
- クチコミやサイテーションなど信頼のおける外部情報の流入
- 自社の権威性を高めるブランド構築
AIに認知される信頼性と構造をもたせるサイトを作成していくことが今後の対策として重要視されています。
また、ローカルSEO(MEO)への直接的影響は現時点では限定的ですが、Googleマップとの統合深化によりローカルビジネス情報の再編成が進む可能性は視野に入れておくべきです。
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まとめ
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AI Modeの登場で検索体験が激変
従来のリンク巡回型検索からAIによる要約・直接回答へとシフトし、米国・インドで急速に普及中。日本での公式リリースも近いと予想される。
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Googleならではの強み
カスタム版Gemini 2.5と「クエリ・ファンアウト」により、高精度かつ網羅的な情報収集を実現。Gmailなどとのアプリ連携やマルチモーダル入力、チャート生成など多彩な機能も。
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SEOへの影響
AI OverviewsでCTRが約35%低下するなど、従来の「表示=クリック」の前提が崩壊。薄いコンテンツは淘汰され、構造化・一次情報重視のページ設計が不可欠。
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AI時代のコンテンツ戦略
検索意図の網羅、明確な見出し・FAQ構造、オリジナルデータや図表・動画などのマルチモーダル素材による情報密度向上、そして権威性を高める外部サイテーション獲得が鍵。
最後に
AI Modeの勢いはますます盛り上がりを見せていくと考えられています。しかし、導入して間もないことも影響し、直近の動向のなかでも変更が多く見られます。
そのため、今後もアップデートや変更の余地が多分にあり、引き続き最新情報をキャッチアップしていく必要があります。
こちらでは、これからも海外MEO動向をいち早く収集し、最新情報をお届けしてまいります。
WRITER

ライターMT
ライターMTの記事一覧複数メディアのSEO対策担当者を8年以上経験。SEO知識の他に、健康、脱毛、恋愛、コンプレックスなどのジャンルも得意。これまで500本以上のコンテンツ制作と上位表示実績を持つ。
キーワード選定からライティングまでを一貫して行うため検索意図を把握する能力が高い。
海外最新動向|GoogleにAI本格統合!AI Mode最新解説
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