• 2025.12.19
  • SEO

構造化データのマークアップとは?SEOで差がつく仕組みを解説

構造化データのマークアップとは?SEOで差がつく仕組みを解説

構造化データとは何か?

「構造化データ」とは、Webページ上の情報に対してマークアップ(タグ付け)を行い、検索エンジンに内容の意味を正しく伝え、SEOにも役立つデータ形式であり、各種ツールでも扱いやすい形式です。通常のHTMLでは文章や数字は単なる文字列として扱われ、検索エンジン(例えばGoogle)のクローラーはそのテキストが何を意味するかまで理解することが困難です。

しかし、構造化データを使用した構造化マークアップによって、テキストや画像に「これは製品名です」「これはレビューの星評価です」などの意味付けを行うことが可能です。こうしたマークアップをページに追加することで、検索エンジンがページ内の情報をより正確に認識し、SEO的にも評価されやすくなります。

  • セマンティックWebの考え方

    構造化データは「セマンティックWeb」という概念から生まれました。セマンティックWebとは、ウェブ上の情報に意味を与えて構造化し、検索エンジンなどが単なる文字列ではなく文脈や意味を理解できるようにしようという考え方です。

    HTMLは本来、人間が読みやすいように見出しや段落を構造化するための言語ですが、セマンティックWebではそれに加えて検索エンジンにも理解できる構造を与えることでSEOにも寄与します。

    そのためにメタデータ(データに関するデータ)をHTMLに埋め込み、検索エンジンに「このテキストは会社名だ」「この数字はレビューの評価5段階中4だ」といった具合に解釈させる仕組みが構造化データなのです。

  • 通常のマークアップとの違い

    一般的なHTMLマークアップとの大きな違いは、「コンテンツに意味を持たせているかどうか」という点です。

    通常のHTMLでは、例えば<p>商品ABC</p>と記述しても、それが商品名であるとは検索エンジンには伝わらず、SEO的にも評価されにくいただのテキストとして認識されます。

    しかし、構造化マークアップを用いて<p itemprop=”name”>商品ABC</p>のようにタグに属性を追加すれば、「商品ABCという文字列は商品の名前である」という意味を持たせることができます。このように構造化データを組み込むことで、検索エンジンのクローラーにコンテンツの中身を正しく理解させることが可能になります。

構造化データのメリット

構造化データをページに導入することで、さまざまなメリットが期待できます。主なメリットは次のとおりです。

  • 検索エンジンがコンテンツ内容を理解しやすくなる

    構造化マークアップによってテキストやデータに意味付けをすることで、検索エンジンのクローラーがページ内の情報を正確に認識しやすくなります。

    例えば、商品ページで「価格」「在庫状況」「レビュー評価」などをマークアップしておけば、検索エンジンはそれらがただの文字ではなく商品の属性情報であると理解できます。

    その結果、検索エンジンはページ内容を適切に評価し、関連する検索クエリに対してそのページをより関連性が高いものとして扱いやすくなります。

  • 検索結果にリッチリザルトが表示される可能性

    構造化データを正しく設定すると、Googleなどの検索結果でリッチリザルト(リッチスニペットとも呼ばれます)が表示される可能性が高まります。

    リッチリザルトとは、通常の青いリンクと説明文だけの結果とは異なり、検索結果に追加の情報や装飾が表示される形式です。例えば、レビューの星評価やレシピの調理時間、イベントの日付、パンくずリスト(サイトの階層ナビゲーション)などが検索結果に表示されることがあります。

    リッチリザルトによって検索結果が視覚的に目立つようになるため、ユーザーの目に留まりやすくクリック率(CTR)の向上が期待できます。結果として、サイトへのアクセス数増加やユーザーからの注目度アップにつながるでしょう。

このように、構造化データを活用することはSEO上のプラス効果が生じます。検索エンジンに内容を正しく理解してもらえることで適切な評価を受けやすくなり、リッチリザルトで表示されればユーザーから選ばれやすくなるため、間接的ですが検索流入の増加やコンバージョン率向上につながる可能性が生じます。

構造化データのデメリット

一方で、構造化データの導入にはいくつかのデメリットや注意点も存在します。主なポイントは次のとおりです。

  • 実装に専門知識と手間が必要

    構造化マークアップを設定するためには、HTMLやスキーマの知識が必要で、実際のマークアップ作業にも時間と工数がかかります。

    初めて取り組む場合、マークアップの方法や適切なタグ選定に戸惑うことも多いでしょう。

    また、サイト内の複数のページに対応する場合は、ページごとにデータの種類に合わせたマークアップを施すのが必要で、規模によってはかなりの労力になります。適切なボキャブラリー(後述)を理解し、コーディングする手間を考慮すると、専門的な知識習得と実装コストがデメリットとして挙げられます。

  • リッチリザルトが必ず表示されるとは限らない

    構造化データをマークアップしたからといって、必ずしも検索結果にリッチリザルトが表示されるわけではありません。Googleをはじめとする検索エンジンは構造化データを参照して検索結果を生成しますが、その表示形式を最終的に決定するのは検索エンジン側です。

    構造化データの内容が適切でも、競合ページとの比較や検索クエリとの関連性、検索エンジンのアルゴリズム判断によってはリッチリザルトが表示されないケースも生じます。

    また、構造化データの記述にエラーがあった場合や、Googleがサポートしていない種類のスキーマを使用している場合も、リッチリザルトは表示されません。つまり、手間をかけてマークアップしても期待した見返りが得られない可能性がある点には注意が必要です。

このほか、構造化データ実装後もサイトの内容変更に合わせてマークアップを更新・維持していく必要があります。誤ったマークアップはエラーや警告の原因となり、最悪の場合Googleから手動対策(ペナルティ)を受ける可能性もゼロではないです(※不適切なコンテンツに構造化データを付与した場合など)。

以上のように、構造化データには導入コストや表示結果が保証されないといったデメリットがあるものの、それを上回るメリットが期待できる場合に積極的に取り組む価値があるでしょう。

構造化マークアップの設定方法

構造化データをウェブページに実装する構造化マークアップには、いくつかの方法が存在します。

大きく分けると、HTMLに直接コードを記述してマークアップする方法と、専用のツールを使ってマークアップを支援する方法の二種類があります。ここでは代表的な実装方法を紹介します。

まず、構造化データの実装に関して理解しておきたい概念として「ボキャブラリー」と「シンタックス」があります。ボキャブラリーとシンタックスはいずれも構造化データマークアップに必要な要素です。

  • ボキャブラリー(Vocabulary)

    構造化データで「何の情報か」を定義する規格です。言い換えれば、データの項目名や種類の集合と言えます。

    代表的なボキャブラリーにschema.orgがあります。

    schema.orgには「Product(製品)」「Recipe(レシピ)」「Review(レビュー)」など数百種類以上のタイプ(データの種類)やその属性が定義されています。マークアップする際には、このボキャブラリーから適切なタイプ(@type)やプロパティ名(項目の名前)を選んで使用します。

  • シンタックス(Syntax)

    上記ボキャブラリーをHTMLに記述するための文法や形式のことです。構造化データをページに埋め込むルールとも言えます。

    主要なシンタックスとしてMicrodata, RDFa, JSON-LDという3つのタイプが存在します。

    いずれもschema.orgなどのボキャブラリーに準拠したデータをマークアップできますが、記述の仕方や埋め込み方が異なります。

    では具体的な構造化マークアップの方法を見ていきましょう。それぞれの特徴や記述方法を順番に解説します。

Microdata(マイクロデータ)による記述

Microdataは、HTMLのタグ属性として構造化データを直接埋め込むシンタックスです。HTML5で導入された方式で、itemscopeやitemtype、itempropといった専用の属性を使ってマークアップを行います。指定したHTML要素内にそのままデータの内容を書き、その要素や子要素に対してこれらの属性で意味付けするのがMicrodataの特徴です。

記述方法: 例えば、書籍の情報をマークアップする場合、以下のように記述します(簡略化した例です)。

      
        <div itemscope itemtype="https://schema.org/Book">
          <h2 itemprop="name"">架空の本のタイトル</h2>
          <p itemprop="author"">山田太郎</p>
          <p itemprop="datePublished"">2025-01-01</p>
        </div>
      
    

上記の例では、<div>要素にitemscope属性を付与して「この中にMicrodataがあります」と宣言し、itemtype属性で利用するボキャブラリーのタイプ(ここではBook)を指定しています。

さらに内部の要素にitemprop属性でプロパティ名(名前・著者・出版日)を指定し、それぞれのコンテンツ値を記述しています。こうすることで、「このタイトル文字列は書籍名」「この文字列は著者名」「この数字は出版日」という情報を検索エンジンに伝えることができます。

MicrodataはHTMLの要素内に直接マークアップを書くため、コンテンツと構造化データが一体化して管理できるというメリットがあります。

しかし、その反面としてHTMLのコードが属性だらけになり煩雑になりやすい点がデメリットです。

タグごとにitemprop等を追加していくため、大規模なページではコードが読みにくくなります。

また、Microdataの仕様策定は2013年で事実上止まっており、SEOの観点でもGoogleはJSON-LD方式を推奨しています。そのため、Microdataは古い方法となりつつあって、特殊な理由がない限り積極的に使われるケースは減っています。

RDFa(アールディーエフエー)による記述

RDFaもMicrodata同様にHTMLの中に直接マークアップを埋め込むシンタックスです。ただし、RDFaはXHTMLやXMLなどより広範な文書形式で利用可能なように設計されており、Microdataより柔軟な点が特徴です。HTML5だけでなくXMLベースでも使えるので、SEO目的での構造化データ管理においても柔軟性があります。

記述方法: RDFaでは、vocabやtypeof、propertyといった属性を使用します。例えば、企業情報をマークアップする場合の一例は次のようになります(簡略化した例)

      
        <div vocab="https://schema.org/" typeof="Organization">
          <span property="name">サンプル株式会社</span>
          <span property="address" typeof="PostalAddress">
            <span property="streetAddress">〇〇県△△市…(以下住所)</span>
          </span>
        </div>
      
    

上記では、typeof=”Organization”としてこの範囲が組織に関する情報であることを宣言し、property属性で各プロパティ(名前や住所など)を指定しています。住所の例では、typeof=”PostalAddress”を用いて住所自体も一つの項目(複数の下位プロパティを持つ複合項目)であることを表しています。

RDFaはMicrodataに比べて利用できる環境が広い(HTML以外にも対応)という利点があります。また、属性名も比較的直感的(例えばproperty=”name”で名前を指定)なので分かりやすい側面があります。

しかし、Microdata同様にHTML内に多くの属性を書き込むのが必要で、コードの煩雑さという点では解決には至りません。現在ではRDFaを直接使うケースも限定的で、やはり後述のJSON-LD方式が主流となっています。

JSON-LD(ジェイソン・エルディー)による記述

JSON-LDは、JavaScriptのオブジェクト表記を利用して構造化データを記述する方式です。

ほかのMicrodataやRDFaとはアプローチが異なり、HTML内の特定の場所に<script>タグを使ってJSON形式のデータブロックを埋め込む形でマークアップを行います。JSON-LDで記述された構造化データは、人間の目には直接表示されませんが、検索エンジンはその<script>内の内容を読み取ってページ情報を理解します。

JSON-LDでは、HTML内の任意の箇所(一般には<head>内やページ末尾)に以下のようなコードを追加します。

      
        <script type="application/ld+json">
          {
              "@context": "https://schema.org",
              "@type": "Organization",
              "name": "サンプル株式会社",
              "address": {
              "@type": "PostalAddress",
              "streetAddress": "〇〇県△△市…(住所)"
            }
          }
        </script>
      
    

この例では、組織(Organization)の名前と住所をJSON形式でマークアップしています。@contextで使用するボキャブラリーのURL(schema.org)を指定し、@typeでデータのタイプ(ここではOrganization)を定義しています。

あとはキーとバリューのペアで各情報を記述します。例えば、”name”: “サンプル株式会社”で名前を指定し、住所は”address”プロパティの中にさらに@type: PostalAddressとして詳細な項目を入れ子にしています。

  • JSON-LDのメリット

    JSON-LD方式の最大のメリットは、HTMLの構造に影響を与えずに済む点です。MicrodataやRDFaのように既存のHTMLタグに属性を追加していく必要がなく、<script>タグ内にJSONとしてデータを書くだけなので、コードの見通しが良いです。

    サイトのデザインや表示にも影響を与えません。また、JSON形式はプログラム的に編集・生成しやすいため、CMSやツールとの連携もしやすく、データの再利用や解析にも適しています。Googleも公式にJSON-LDでの実装を推奨しており、現在構造化データを導入する際はほとんどの場合このJSON-LDが採用されています。

  • JSON-LDのデメリット

    JSON-LDは基本的ページ内に直接埋め込む必要があって、外部ファイルとして切り出して<script src=””>で読み込むことは推奨されていません(外部ファイルだとGoogleが確実にクロールする保証がないためです)。

    つまり、サイトの各ページにそれぞれJSON-LDのコードブロックを置く必要があって、サイト規模が大きい場合は管理に注意が必要です。しかし、この点を差し引いても、現在では最も管理しやすく実装も簡潔な方法であるため、構造化データ実装の主流となっています。

構造化データマークアップ支援ツールを使う方法

自力でHTMLファイルにコードを追加する以外に、Googleが提供する「構造化データマークアップ支援ツール」を利用する方法も存在します。

これは、プログラミングに詳しくなくてもブラウザ上の操作だけで自サイトのページに適切な構造化マークアップを施せる支援ツールです。利用にはそのサイトがGoogleサーチコンソールに登録されている必要がありますが、一度使える状態にすれば非常に簡単にマークアップ作業が行えます。

使い方の概要

  1. ツールにアクセスする

    構造化データマークアップ支援ツールのページにアクセスします。サーチコンソールのメニューから起動することもできます。

  2. データタイプとページを指定

    ツールの画面で、マークアップしたいデータのタイプ(例:記事、イベント、製品、FAQ など)を選択します。また、マークアップを施すページのURLかHTMLソースを入力し、「タグ付けを開始」ボタンをクリックします。

  3. ページ上でタグ付け

    ページのプレビューが表示されるので、構造化データを付与したいテキストや要素をマウスで選択し、該当するタグ(プロパティ名)を指定します。例えば記事のタイトルを選択して「名前(name)」タグを付ける、日付を選んで「公開日(datePublished)」タグを付ける、といった操作を繰り返してページ内の主要な項目にタグ付けしていきます。

  4. マークアップデータの取得

    必要なタグ付けを終えると、画面の右側に構造化データのコード(JSON-LD形式かMicrodata形式)を生成できるオプションが表示されます。それをダウンロードまたはコピーして、自分のページのHTMLに追加します。作業完了後、「完了」ボタンを押してツール上での処理を終了します。

この支援ツールを使えば、実際にコードの記述方法を知らなくてもGUI上の操作だけで構造化マークアップを実現できるため便利です。

特にSEO改善のために構造化データを導入したい初心者にも役立つでしょう。タグ付けを行う際も、人間がページを見て判断しながらできるので直感的です。生成されたコードはそのまま自サイトに反映できます。

データハイライターを使う方法

データハイライターは、こちらもGoogleサーチコンソール上で提供されているツールで、コードを編集せずに構造化データ相当の情報をGoogleに伝える手段です。データハイライターを使うと、実際のHTMLファイルに構造化データを記述しなくても、Googleに対して「このページのこの部分は〇〇という情報です」と教えることができます。

  • 使い方の概要

    サーチコンソールの「検索の見え方 > データハイライター」メニューから利用します。マークアップ支援ツールと似たインターフェースで、対象とするデータタイプやページを指定し、ページ上のテキストを選択してタグ付けする操作を行います。内部的にはサーチコンソールにそのタグ情報が保存され、Googleはクロール時にそれを参照して構造化データが無いページでも同等の情報を理解してくれる仕組みです。

  • データハイライターの特徴

    コードを書き換えられないサイトでも利用できる点で優れています。例えばCMSやECサイトでソースを直接編集できない場合でも、データハイライターでGoogleに情報を教えることが可能です。ただし、データハイライターで指定したマークアップ情報はGoogleの検索結果にのみ有効で、他の検索エンジン(BingやYahoo!など)には伝わりません。また、サイト内のURL構造やページテンプレートに規則性がない場合、複数ページを一括でタグ付けできず1ページずつ手動で対応する必要があります。

構造化データマークアップの確認方法

構造化データを実装したら、正しくマークアップできているか検証・確認することが重要です。記述ミスがあると効果が得られないばかりか、検索結果にエラー表示が出たりリッチリザルトが表示されなかったりします。以下に、構造化データの実装を確認する主な方法をまとめます。

  • Googleリッチリザルトテスト

    Googleが提供する公式のリッチリザルト テストツールを使う方法です。ページのURLまたはマークアップしたコードを入力すると、そのページが構造化データによってどのようなリッチリザルトに対応しているか、またエラーや警告がないかをチェックできます。例えば「このページはレシピの構造化データを検出、画像やレビューのリッチリザルトが有効です」といった結果が得られます。エラーが出ている場合は、どの箇所に問題があるか詳細が表示されるため、マークアップ修正の指針になります。構造化データを実装したら、まずこのリッチリザルトテストでエラーがないことを確認しましょう。

  • 構造化データ テストツール(スキーママークアップ検証ツール)

    かつてGoogleは「構造化データテストツール」という一般的な検証ツールを提供していました。2020年代に入って公式には提供終了となりましたが、現在はschema.org 提供の検証ツールとして機能が引き継がれています。リッチリザルトテストがGoogle検索でサポートされているスキーマ(主にリッチリザルト対象)にフォーカスしているのに対し、schema.orgの検証ツールではより広範な構造化データの文法チェックが可能です。特定のリッチリザルトに該当しないタイプの構造化データ(例えば組織の詳細情報など)も検証できます。リッチリザルトテストで問題がない場合でも、詳細な構文チェックをしたいときに活用すると良いでしょう。

  • Googleサーチコンソールでの確認

    サイトをGoogleサーチコンソールに登録している場合、構造化データに関するレポートを確認できます。サーチコンソールのメニューには「検索の見え方(エンハンスメント)」として、構造化データの種類別(パンくずリスト、FAQ、レビュースニペット、製品 など)に検出された構造化データとそのエラー/警告が一覧表示されます。ここでエラーが報告されている場合は、実際に検索結果へ反映されない原因となりますので修正が必要です。また、サーチコンソール上で特定のページのURLを検査することで「構造化データは〇〇として認識されています」といった情報も得られます。実装後はサーチコンソールでカバレッジやエンハンスメントの項目にエラーが出ていないか確認し、問題があれば修正・再クロールリクエストを行いましょう。

以上のような方法で構造化データの検証・確認を行うことで、正しくデータがマークアップされているか安心できます。特に初めて実装する場合は、テストツールで都度チェックしながら進めると良いでしょう。

構造化データのSEOへの効果

構造化データを実装することは、SEOにどのような影響をもたらすのでしょうか?

結論として、構造化データ自体はSEOの検索順位を直接向上させる仕組みではありません。

Googleも公式に「構造化データはランキング要因ではない」と明言しており、SEOにおける直接的な順位上昇は期待できません。

ただし、構造化データは間接的にSEOの成果を高めることが多く、特にリッチリザルトの表示によってSEO上のメリットが生まれやすくなります。

まず、構造化データによって検索結果にリッチリザルトが表示されると、通常の検索結果よりも目立つためクリック率が上がり、SEOパフォーマンスの向上につながります。クリック率の改善は訪問数の増加、エンゲージメント向上、ユーザー満足度の上昇など、SEOにとって重要な指標へ良い影響を与えます。

ユーザーが求める情報に対してリッチリザルトで適切に応答できれば、SEOの観点からも評価が高まりやすく、滞在時間の増加や直帰率改善につながることがあります。

さらに、構造化データによって検索エンジンがページ内容をより正確に理解できるようになると、ページが適切な検索クエリにマッチしやすくなり、SEO面での露出機会が増加します。ページ本来の情報が正しく伝わることで、従来は評価されにくかったキーワードでもSEO順位が改善される可能性があります。

例えば、イベント情報に構造化データを設定することで、特定の日付や場所で検索した際のリスティングが上位表示されるといったSEO効果も期待できます。

また、構造化データは検索結果だけでなく、音声アシスタントやスマートデバイスにも情報を提供するため、SEOとは直接関係しないものの、ユーザー接点の増加という間接的なSEOメリットがあります。音声検索で「〇〇の営業時間は?」と尋ねた場合、構造化データが正しく設定されていれば、その情報が読み上げられるなど、利用される幅が広がります。

総合すると、構造化データ自体はSEOにおける直接的なランキングシグナルではないものの、検索エンジンとの情報伝達を向上させ、コンテンツの評価を適切に行わせるための重要なSEO施策です。

検索結果での視認性向上やユーザー評価の改善によって、結果的にSEO効果が高まりやすくなります。特にGoogleが公式にサポートしているリッチリザルト対象の構造化データは、競合も積極的に利用しているため、SEO上の競争力を維持するためにも導入をおすすめします。

まとめ

構造化データによるマークアップは、ウェブページの内容を検索エンジンに正しく伝えるための強力な手段です。「構造化マークアップ」とは何かという基本から、メリット・デメリット、具体的な設定方法(Microdata・RDFa・JSON-LDや支援ツールの活用法)、そして実装後の確認方法やSEOへの効果まで解説してきました。

重要なポイントを振り返ると、構造化データを適切にマークアップすることで検索エンジンがサイト情報を理解しやすくなり、結果としてリッチリザルトによる視認性向上やユーザーからのクリック率増加といった恩恵を受けられます。一方で、導入には知識や工数が必要で、マークアップしても必ずしも成果が保証されないという注意点もありました。ただ、現在のSEOではユーザーに分かりやすいコンテンツ提供と同じくらい、検索エンジンに正しく情報を伝えることも重要になっています。

もしまだ構造化データを導入していない場合は、まずはサイト内の重要なページ(例:商品ページや記事ページなど)から試してみると良いでしょう。特にリッチリザルトの対象となるFAQページやレビュー、イベント情報などがある場合は効果を実感しやすいはずです。JSON-LD形式であれば比較的簡単に実装できますし、必要に応じてGoogleの提供するツールも活用してみてください。

自サイトのコンテンツを検索エンジンにしっかり理解してもらい、ユーザーにも魅力が伝わる検索結果を実現するために、ぜひ構造化マークアップを適切に設定してみましょう。正しいデータの構造化は、今後のSEO対策における強力な武器となるはずです。

WRITER

複数メディアのSEO対策担当者を8年以上経験。SEO知識の他に、健康、脱毛、恋愛、コンプレックスなどのジャンルも得意。これまで500本以上のコンテンツ制作と上位表示実績を持つ。
キーワード選定からライティングまでを一貫して行うため検索意図を把握する能力が高い。

構造化データのマークアップとは?SEOで差がつく仕組みを解説

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